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終了幽体離脱しちゃったみたい。vol.3 レトリックとしてのMIRAI

  • 日程
    2015年04月25日 ~ 2015年05月24日

  • 時間
    11:00

  • 会場
    EARTH+GALLERY/gallery COEXIST-TOKYO

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会期: 2015年4月25日(土)~5月24日(日)
時間: 11:00~19:00(月曜休廊)最終日は17:00まで
入場: 無料
会場: 1F EARTH+GALLERY 2F gallery COEXIST-TOKYO
出品作家: 越田乃梨子(映像)、佐藤哲至(美術)、たけのこうしろう(イラスト)、早瀬交宣(美術)
ゲスト作家: 大森誠(造形作家)ほか
主催: EARTH+GALLERY/gallery COEXIST-TOKYO
企画: てんせんめん

《オープニングレセプション》
・4月25日(土)
時間:17:00~19:00|参加費:無料
フリードリンク、フリーフード。作家自身が作品について語ります。
※ドリンク、フードはなくなり次第終了とさせていただきます。
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芸術表現にコンピューターをはじめとする新技術を使用し、アートの分野の主流のひとつとして近年その存在感を増しているメディア・アート。「イメージ(像)」を契機に、不可視の存在を想起させる機能を持つ「装置」としてのアートという、芸術の根源的な在り方を有する点において、メディア・アートもまた伝統的な芸術と同じ役割を担っています。メディア・アートでは、他の美術分野よりもこの機能が容易に始動する - ときには始動していることに気づかないほどに - という特徴があり、このことがこの分野に独自の立場を与えているといえるでしょう。

「幽体離脱しちゃったみたい。」の過去2回の展示を振り返ると、前々回は「イメージのちから」、前回は「愛とシミュラークル」をテーマに、現実と仮想、オリジナルと模造品といったパラレル・ワールドを描き出し、私たちが今どういう世界と対峙しているのかを問いかけるものとなりました。
 デジタルにどっぷりと浸かりながらリアルを生きる私たちは、あの世とこの世を自由に往き来する「幽体離脱」のような状態にあります。参加作家たちが提示する「幽体離脱のような状態」は、作家からの一方的な投げかけに留まらず、鑑賞者自身の姿としても捉えていただけたのではないでしょうか。

  展示初回の3年前を振り返り、佐藤哲至はこう言います。

“本展を始めるきっかけとなったのは、3.11後のあの、なんとも言いようのない社会を取り巻いていた空気でした。社会は一度岩礁に乗り上げました。その空気を敏感に感じ取り、なんとか生きていけるだけの道具を積んだ小舟で、大きな暗い海に乗り出したのが、3年前の展示だったかもしれない、今となっては、そのように感じます。”

  そして今回のテーマは「レトリックとしてのMIRAI」。

”震災後の3年間で、社会も目まぐるしく変わり、3.11のような大きな出来事ですら水平線の彼方に流れ去ろうとしています。今後、オリンピックや農業、医療改革のような出来事に向かって社会が構造的に変わっていくのを目の当たりにするでしょう。人の心や意識もまた、過去と未来をつなぎとめる、アンカー(錨)をうってはどうかなと思います。”(佐藤)

戦争、あらゆる差別、環境汚染、伝染病の流行、格差社会という不穏な空気の中で行き先の見えない未来へと漕ぎ出してゆく私たち。戦後数十年の間に私たちが夢見た未来は、まるで片想いのようなキラキラ感、ワクワク感で溢れていました。そしてそれは実際片思いのように一方的な期待と空想に終始したのです。時は流れ、「未来」が「現在」となったとき、当時夢見た明るく憂いのない社会とはかけ離れたものだったという失望が時代に暗い陰を落とします。昨今の廃墟ブームや80年代ブームといったノスタルジーへ向かう風潮は、現在の私たちを取り巻く状況に戸惑いや落胆を感じた者たちが、時代の生み出した結果に対し、自嘲気味に再検討を試みているように思えてなりません。

”「絶望」さえも「希望のMIRAI」として雄弁に語ることができるのがレトリックの力であって、それはその時代を説得するためだけの表現なので、時間が経てば当然レトロな未来になってしまいます。しかし、こういった信じたい未来に飛びつきたいのも人情としてはありますし、一方でレトリックだけなら意味がないといった批判もあるでしょうから、この辺りは解釈する作家や鑑賞者の個性の出どころかと思います。”(佐藤)

「幽体離脱しちゃったみたい。」のメインキャラクターとなっている80年代風の女子中学生ユッコ。今回のイラストはユッコが「MIRAI」と書かれたフリップ時計を手にしています。本展では、アーティストたちの瑞々しい感性の内から沸き上がり、浮き彫りにされる時代感覚と未来への展望をご観覧の皆様に感じていただけたらと思います。また、会期中は様々なイベントを予定しています。この展示をより深く理解するためにもぜひご参加ください。イベントは詳細が決まり次第web、チラシで発表いたします。

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