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終了三浦かおり 石川慎平 二人展 「存在の気配」

第5回東京アンデパンダン展受賞者展

  • 日程
    2015年02月07日 ~ 2015年02月22日

  • 時間
    11:00

  • 会場
    木場3-18-17 1F

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会期: 2015年2月7日(土)~2月22日(日)
時間: 11:00~19:00(最終日は17:00まで)
休廊: 月曜日
会場: EARTH+GALLERY
入場: 無料
※2月7日(土)17:00~19:00 オープニングレセプション
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三浦かおりは、埼玉県出身であり、2004年に京都造形芸術大学情報デザインコースを卒業した。「気配」「余韻」「痕跡」といった微かな要素を、インスタレーション等で表現する活動を行っている。石川慎平は、東京都出身であり、2014年に多摩美術大学大学院彫刻専攻を卒業した。「人は(存在の)気配」だと言い、人が「そこに存在する気配」を、木彫立体で表現している。

少なからぬ観客が、上記のような石川と三浦の作品の共通要素に着目して、企画・カップリングされた二人展と思うかもしれないが、実はそういう訳ではなく、第5回東京アンデパンダン展の人気投票(「入札アンデパンダン」)で、同得票数で2位となった二人による「同率二位展」である。制作アプローチの共通性が浮き立ってみえるのは偶然である。

もっとも、これを「単なる」偶然としてのみ片付けてよいものだろうか。そこには現代社会における必然が含まれてはいないだろうか。例えば、彼らが情報氾濫の中で宙吊りとなり無名化していったヒト、モノ、情報などが確かにそこにあった痕跡を、インスタレーションや立体による「場」や「仕組み」の立ち上げの中で、覆い隠したり、ボイド構造を設けたりして表現している点である。

そこで、第5回東京アンデパンダン展への二人の出品作品をみてみると、三浦かおりの「東京の片隅の届かないつぶやき」は、発せられなかった言葉が人知れず都会の片隅の吹き溜まりに蓄積されている様子を詩情豊かに表現したボックスアートだ。それまで作家がインスタレーションで表現してきた世界を小さいボックスに封じ込めたもので、その身近なサイズと相俟って、見る者の共感を惹き出している。

また、石川慎平の「package」は、形態的・視覚的に人の表情や細部を覆い隠すことで「人体彫刻が観客側に干渉しすぎてこない」ような佇まいを表現している。観客から見れば、明らかな異形でもあるそれは、作家にとって、「空間を彩る一輪の花のように心地良いもの」なのだという。「気配」は木の中から立体として削り出されることで、永遠の時間軸に乗り固着するのである。

大量消費社会が、さらにIT化されて情報洪水となった、人口70億人を超える現代にあっては、ヒト、モノ、情報が過剰であり、次から次へと流れて行かざるを得ない。その中で「本当にそうか」、「あれはどこへ行ったのか」と疑問に思い、「流し/流されたくない」という気持ちが、集団的無意識として共有されているのだとすれば、これらの作品は、あなたにも共感をもたらす筈である。

深瀬鋭一郎 (深瀬記念視覚芸術保存基金代表)

■お問い合わせ■
EARTH+GALLERY
東京都江東区木場3-18-17 1F
tel:03-5809-9949
mail:info@earth-plus.net
HP:http://earth-plus.net

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