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日程2009年10月27日
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時間19:30
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会場千駄ヶ谷4-14-4 SKビル千駄ヶ谷4F (株)メディア総合研究所 会議室
一般的に本書において「監獄」というのは権力が犯罪者を矯正し、社会に適応させるための手段であると考えられてきました。少なくともフーコーの入門書レベルではそのように理解されてきたと思います。
しかしながら実際には、たとえば再犯率の高さなどから見て、監獄というのは更正施設としてはきわめて不完全である。多くの犯罪者は再び罪を犯し、監獄へと戻ってくることになる。実はそこにこそ、「監獄」の本来の機能があるというのがフーコーが主張したかったことなのだ、というかなり目から鱗な指摘がされたのが前回の第3回でした。
続く第四回では、そうした監獄に収容された「非行者」(本書で使われている用語ですが、まあチンピラとかそのくらいの意味です)という存在の分析が行われる予定です。非行者というのはなぜ権力にとって扱いやすい存在となるのか。
いよいよ最終回ですのでふるってご参加いただければと思います
【概要】
ミシェル・フーコー『監獄の誕生』は、フーコーの権力論を理解するうえでも、またフーコー以降の現代思想の流れをとらえるためにも、ひじょうに重要な書物です。しかしその内容はとても難解で、わかりやすい入門書もほとんどありません。この講座では、これまでのような部分的であいまいなフーコー読解に見切りをつけ、明確な理論によってこの書物の全容を読み解いていきます。これまでのフーコー研究ではほとんど見過ごされてきた論点にも配慮し、現代思想に詳しくなくても理解できるような画期的なフーコー読解を目指します。
■申し込みはこちらから
http://mediasoken.shop-pro.jp/?pid=14118913
【講師プロフィール】
萱野稔人(かやのとしひと)
1970 年生まれ。2003年パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。現在、津田塾大学国際関係学科准教授。主な著書に、『国家とはなにか』(以文社)、『カネと暴力の系譜学』(河出書房新社)、『権力の読みかた』(青土社)、『「生きづらさ」について』(雨宮処凛との共著、光文社新書)ほか。