1990年春、ボストンにあるガードナー美術館から美術品13点、アメリカ史上最高額5億ドル相当が盗まれた!ドガ、マネ、レンブラント、そして遺されている作品がたった35作しかない光の魔術師フェルメールの1作、『合奏』。
フェルメールの作品は『合奏』のみ、この18年間世界で誰も目にすることができずにいる。犯人はコレクターか、テロリストか、IRAか!? 500万ドルの懸賞金で情報は得られるのか!? フェルメールの盗まれた名作『合奏』を追う絵画探偵ハロルド・スミスのドキュメンタリー。
レベッカ・ドレイファス監督が作品について語っている。
「1990年3月18日、私のもっとも愛する絵画が盗難に遭いました。それはフェルメールの『合奏』です。巨匠が遺したたった35作のうちの1作、がボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館から持ち去られてしまったのです。その晩は、ほかにも多くの絵画が盗難に遭いました。その中にはレンブラントの唯一の海の絵も入っていました。この盗難事件は、アメリカ史上最大の美術品盗難事件に発展しました。
10年以上経って、私はいまだに自分が、その絵の持つ捕らえどころのない魅力だけではなく現在のありかに関することまで、絵にまつわる多くの謎に取りつかれていることに気がつきました。この映画は、絵画がその後どうなったのかを突き止めようとした2年間の成果です。その過程で、私はさまざまな変わった人たちに出会い、世紀と大陸によって引き離されていたその人たちを、偉大な芸術作品によって呼び覚まされる情熱でひとつにすることができました。結果として私は、自分のこの映画が、共通するところのないその人たちに、時のない絵画の中に永遠に住まう場所を与えたように感じています」
『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』
2008年9月27日(土)よりアップリンクにて公開
監督・撮影:レベッカ・ドレイファス
脚本:シャロン・ガスキン
出演:ハロルド・スミス、グレッグ・スミス、他
2005年/アメリカ/83分
配給:アップリンク