「20年前の今日は国民が自由を求めて立ち上がった日です。そしてたくさんの人が殺された日です。総選挙の結果も無視されました。ビルマの国民は20年間、自由と民主主義を求めて軍事政権と闘って来ました。私達ビルマ人はこの日を決して忘れません!」
北京五輪が開幕した8月8日、もう一つの「8月8日」を記念するデモ行進が都内で行われた。集まった在日ビルマ人は五反田から北品川にあるミャンマー大使館前へ向けて行進した。ドキュメンタリー映画『ビルマ、パゴダの影で』にも登場するカレン民族などの少数民族グループや、アウンサンスーチー率いるNLD-国民民主連盟のメンバーなどを中心に、当日の参加者は日本に暮らすビルマ人1000名以上にのぼる。
今から20年前の1988年8月8日、当時の首都ラングーンでは独裁政権への抗議と民主化を訴える約数十万人の一般市民が連日デモを続けていが、この日、軍による無差別発砲で多数の死者が出る事態となった。以来、軍事政権による国家掌握が始まった。当時の民主化運動を率いていた88年8月8日当時の学生、いわゆる「8888世代」はその後も日本を含む亡命先の各国で民主化運動を継続している。今回のデモを主催したのも彼等である。
ミャンマー軍事政権の後ろ盾とも言える中国でオリンピックが開幕されたこの日、鎖で描かれた五輪のマークに「中国に人権は無いのか?」というメッセージを掲げるなど、中国政府を批判するデモ参加者も目立った。多くの祝福を受けて開幕した北京五輪だが、この日世界中のビルマ人は苦い気持ちで20年前を振り返ったに違いない。
◎9月5日DVD発売『ビルマ、パゴダの影で』
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アイリーン・マーティン監督がスイスの観光用テレビ番組の製作と偽りビルマに入国し決死の撮影を行った作品。
この作品はビルマでも都市部ではなく、ジャングルの奥深く潜入し、多くのビルマ人でさえも正確に知らない少数民族の問題に焦点をあてた問題作です。
一見地味な証言の映像ですが、映画公開時はビルマに取材に行き、その困難さを身にしみてわかっているジャーナリストの人からはどうやってこの撮影をおこなったのかと驚きの声があがっていました。
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