骰子の眼

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東京都 渋谷区

2008-08-02 21:51


徹底的な技術論を展開することで知られる解説者“高阪剛”による『格闘秘宝館』
  • 実況中継の前の挨拶で先日の「ドリーム」での日本人選手の試合を振り返っていた

  • UFCの試合を見ながら高阪剛が解説

  • イベント終了後、たくさんのファンに囲まれながらTシャツにサインをする高阪剛

世界のTKのニックネームで格闘技界から絶大な人気を誇る、元ヘビー級総合格闘家、高阪剛(ALLIANCE-SQUARE代表)が先週7/26に格闘秘宝館(アップリンク・ファクトリー)のイベントに特別ゲストとして出演した。

高阪剛は、初代PRIDEヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードルにTKO勝ちを収めたことでも有名だが、試合の経験を活かした徹底的な技術論を展開することで名解説者としても知られる。この日は、格闘技ライターの高橋ターヤン、橋本宗洋、高崎計三の3者を司会陣として来場者に向けてUFCの試合を鑑賞しながら実況中継イベントを開催した。

先日行われた「DREAM.5」の試合を振り返って、高橋ターヤンが【青木真也選手VS宇野薫選手】試合についてふれると、高阪剛は「負けてしまったが、青木の特徴である手足の長さや試合運びのうまさ。宇野の世界的に見てもハイレベルなディフェンス能力」などを主張。

【エディ・アルバレス選手VS川尻達也選手】の試合についても「川尻も負けてしまったが、相手の動きをどう止めるか、(前のローであったりとか)という戦法をとっての殴り屋で、ただの殴り屋ではない。川尻も今回のトーナメントで強くなった選手の一人。アルバレスは踏み込んでパンチを打つので、前足にローを当てるとそこからパンチを打てなくなっていた。そう考えると、川尻が相手の動きを止めて、冷静に戦っていた。成長したんだと思った」などと、テレビでは説明されなかった試合の見方を定評な技術論を交えて説明した。

当日、実況中継した主な試合は、UFCの5試合。
UFC.36 ジョシュ・バーネット VS ランディ・クートゥア
UFCFN  ロジャー・フエルタ VS クレイ・グイダ
UFC.79 チャック・リデル VS ヴァンダレイ・シウバ
UFC.79 ジョルジュ・サン・ピエール VS マット・ヒューズ
UFC.81 アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ VS ティム・シルビア

なかでもロジャー・フエルタ vs クレイ・グイダの試合は2007年のベストファイトと言われていたが、テレビで見ていた人は解説を見ながらの鑑賞ではなかったので、イベントで高阪剛の解説を聞きながら新たな角度からのから試合を理解することができたのだった。

ジョシュ・バーネット VS ランディ・クートゥアの試合では当時ジョシュのセコンドについて試合をサポートしていたこともあり、「会場の雰囲気がとにかくすごい!アメリカ人の熱はすごいですよ。あの雰囲気に圧倒されないことが大事」と当時の状況を丁寧に語っていた。

アントニオ・ノゲイラとティム・シルビアの試合では、試合終了まで、ノゲイラの圧倒的劣勢にもかかわらず「ノゲイラが相手の左手を殺して、フロントに引きづり出していた。ただ、普通に解説なしで見ていたら、どうして急にシルビアが劣勢になったのかわからなかったでしょう」とノゲイラが勝利を勝ち取る過程を素人でもわかるよう解説してくれたのだった。

司会陣の「プロの格闘解説者として気をつけていることは何ですか」という質問に対しては
「会場の雰囲気というものがベースにあるんだと思っての試合の味方をしないと、なんでこいつ今これをやったのというのが説明できない。会場の雰囲気に押されて流されるだけの話だといまいちわからない。どんな格闘技の試合解説でもどうしてあのような体勢から勝利に結びついたのかなど付け足して説明しないと視聴者は納得しないでしょう」とプロの解説者として、どのようにわかりやすく解説するかの方法を語った。

高阪剛公式HP:http://www.alliance-square.jp/

(取材・文:山口生人)

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