2003年に行われたロンドンの初演以来、世界各地で好評を博している「ピノキオ」が日本初公演となる。
舞台は高知市内。観客は各回3名のみ。美術館に集まった観客をアーティストのジェマとシルヴィアが扮する「ピノキオ」と「妖精」が車でお出迎え。
彼らと共に世界中で親しまれているカルロ・コッローディ原作『ピノキオ』の物語をベースに高知市内を車で駆け巡り、行方不明の父親を探す「ピノキオ」の気ままな冒険の同行者となる。
劇場を飛び出し、車内という特殊な空間で、窓からみる見慣れた風景や、街行く人々さえも劇中の一部として巻き込みながら行われる不思議な演劇だ。
公演場所が変わる度にまったく新しいアートを形成し、天候や車の速度によっても見える景色が違い、一つとして同じものが存在しない。
乗車しない限りどんなものになるのかわからない、冒険心を刺激する予測不可能な公演である。あなたも「ピノキオ」の大冒険の同行者となり現実と空想の世界を行き来してみては。
高知県立美術館、企画事業課の長山美緒氏に「ピノキオ」のお話を伺った。
-今回の公演の見所は?
「“高知”という素材をジェマとシルヴィアがどのように料理するかでしょうか。車内ということに関していえば、どこで行うにしても共通ですが、場所が変わることで人間も、風景も変わるので、彼女たちがどのように“高知”ならではの作品にするのかが楽しみです。また、観客とのコミュニケーションも気になります。部分的には翻訳していますが、観客とのコミュニケーションは簡単な英語になりますので」
-なぜ、高知という場所を選んだのでしょうか?
「昨年、当館館長の藤田が、エジンバラの演劇祭に行き、この公演を観て、“ぜひ高知で!”ということになりました。海外の演劇祭等で多くみられる、劇場外で行われるサイト・スペシフィック公演を高知でも紹介したいということがありました。また、東京や大阪発でなく、高知発で公演の制作を行っていきたいということもあります」
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ピノキオ(PINOCCHIO)
「ピノキオ」は、劇団シャントに所属するジェマ・ブロキスと劇団ロトザザに所属するシルヴィア・メレクリアーリによる共同作品として、2003年に3夜限りの公演としてロンドンの路上で行われた。公演は好評を博し、2006年10月に再度ロンドンで上演された。イタリアのサルディーニャ島では、田舎の風景をバックに闇夜での公演を行った。大都市と田舎という違った環境での上演は、この作品をどのような場所でも上演できるフレキシブルな作品にした。2007年8月エジンバラ演劇祭フリンジで上演。2008年7月初めてのアジア公演を高知で行う。9月にはアイルランドでも上演を予定している。
■会場:高知県立美術館および高知市内
■チケット料金:前売り2,000円|当日2,500円(7/10(木)までに、往復ハガキで美術館までご応募下さい。応募多数の場合は、抽選とさせて頂きます)
■定員:1公演3名
■期間:7/23(水)~7/27(日)/一日3公演
■問い合わせ先:高知県立美術館
http://www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~museum/
高知市高須353-2
Tel 088-866-8000