映画『サイド・バイ・サイド』より(写真左上から時計回りにジョージ・ルーカス、マーティン・スコセッシ、ジェームズ・キャメロン、デヴィッド・フィンチャー)
キアヌ・リーブスがホスト役となり、マーティン・スコセッシ、ジョージ・ルーカス、ジェームズ・キャメロン、デヴィッド・フィンチャー、デヴィッド・リンチ、クリストファー・ノーランほか当代きってのハリウッド大物監督や、撮影監督、編集技師、カラーリスト、特殊効果技師をはじめとする映画制作者たちのインタビューを通じて、映画におけるデジタル革命を検証するドキュメンタリー『サイド・バイ・サイド──フィルムからデジタルシネマへ』。昨年12月に日本公開され話題を呼んだ本作が、豪華特典映像付きブルーレイで8月23日(金)にいよいよ登場する。
ハリウッドのヒットメーカーたちに映画制作の未来についてインタビューするキアヌ・リーブス(『サイド・バイ・サイド』より)
長年、俳優として表舞台に立つ一方、スクリーンの裏側でプロセスの変遷を見てきたキアヌ・リーブスがナビゲーターとなり、技術とともに常に変化しつづける“シネマの未来”について、映画関係者から次のような貴重な言葉を引き出していく。
「デジタルという新たなメディア改革にワクワクしている。フィルムが支えてきた映画文化にはさらに先がある。新たな手段を有効に使えばいい」
──マーティン・スコセッシ
「デジタルメディアによって可能なことは、一見、魅力的だが中身がない。クッキーにたとえると、焼き立ては柔らかくてとてもおいしい。でも数か月たってみるとひどい味で食べられたものじゃない」
──クリストファー・ノーラン
「想像したことを実現するために、フィルムではできなかったことをすべて試したかった。デジタルの登場で、可能性の扉が開いたように感じた」
──ジェームズ・キャメロン
「全員に紙と鉛筆を持たせたからといって、秀逸な物語がたくさん生まれるわけじゃない。今の映画の状況も同じだよ」
──デヴィッド・リンチ
「デジタルを見下す人もいるだろう。金の卵を産むガチョウを殺すだけでなく、まず辱めようとするのさ」
──デヴィッド・フィンチャー
「僕にとってデジタルへの移行は当然のことだった。カメラに収められる映像の量が圧倒的だったからね。役者との向き合い方を変えようとしていたから、必然だった」
──ラース・フォン・トリアー
「デジタル技術によって、映像も音声も加工の幅が広がった。編集する僕らにとって、それはフィルムにはない魅力だ。フィルムではあれほどの加工は実現できない」
──ウォルター・マーチ(編集)
「デジタルはフィルムの良さを軽視し、質もフィルムより劣っていた。地上に存在するすべてのものは、より良いものへと進化させられると僕は思っている」
──ジム・ジャナード(レッド・デジタル・シネマカメラ創設者)
「あらゆることに共通する心理がある。自分が納得した上で、情熱と愛情を持って何かをするなら、手段は関係ない」
──ミヒャエル・バルハウス(撮影監督)
クリストファー・ノーラン(『サイド・バイ・サイド』より)
約140分の特典映像では、出演者7名(マーティン・スコセッシ、ジェームズ・キャメロン、デヴィッド・フィンチャー、スティーヴン・ソダーバーグ、ラナ&アンディ・ウォシャウスキー、ダニー・ボイル、ウォルター・マーチ)の本編に入り切らなかったインタビューが収録されている。今秋公開の最新作『トランス』の撮影で使用するカメラについてダニー・ボイルが語っている映像や、『クラウド アトラス』をなぜフィルムで撮ることにしたかを語るウォシャウスキー姉弟、9月6日公開の最新作『サイド・エフェクト』を最後に映画界からの引退を表明したソダーバーグが、2011年当時すでに映画よりもテレビドラマ作りに関心があると語っている映像など、映画ファン必見の深い話がつまっている。
デヴィッド・リンチ(『サイド・バイ・サイド』より)
また、このブルーレイ発売を記念して、9月2日(月)に渋谷アップリンクで一夜限りのスペシャル上映会が開催される。大ヒットした映画初監督作『モテキ』に続き、第二作『恋の渦』が連日劇場キャパシティーをオーバーする人気を博し拡大公開中の大根仁監督をゲストに迎え、『サイド・バイ・サイド』本編上映後、特典映像の一部を大根監督と一緒に観ながら、日本の映画界の今について、自身の撮影術について話を聞く。
ラース・フォン・トリアー(『サイド・バイ・サイド』より)
『サイド・バイ・サイド』ブルーレイ
2013年8月23日(金)リリース
監督:クリス・ケニーリー
プロデューサー:キアヌ・リーブス、ジャスティン・スラザ
撮影監督:クリス・キャシディ
制作国:アメリカ(2012年)
本編99分&特典約140分(2層ディスク)
音声:本編5.1ch 特典ステレオ
発売:アップリンク
販売元:角川書店
価格:5,800円(税抜)
品番:DABA-4475
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『サイド・バイ・サイド』ブルーレイ発売記念イベント
アフタートークゲスト:大根仁監督
日時:9月2日(月)
開場19:00/上映19:30/トーク開始21:15
会場:渋谷アップリンク・ルーム
ゲスト:大根仁監督
料金:1,200円(1ドリンク付)
ご予約は下記より
http://www.uplink.co.jp/event/2013/16202
大根仁(おおね・ひとし)
1968年東京都生まれ。演出家・映像ディレクター。「まほろ駅前番外地」「モテキ」「湯けむりスナイパー」などのテレビドラマ、フジファブリック「夜明けのBEAT」マキシマムザホルモン「予襲復讐」などのMV、ロックミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」などの舞台演出を手掛ける傍ら、ラジオパーソナリティ、コラム執筆、イベント主催など幅広く活動する。監督・脚本を手掛けた映画「モテキ」が2011年に公開し大ヒット。映画監督第二作目となるインディーズ映画「恋の渦」は、連日上映劇場のキャパシティーをオーバーする人気を博し、拡大公開中。
▼『サイド・バイ・サイド──フィルムからデジタルシネマへ』予告編