骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2012-03-23 22:16


首藤康之さんに一問一答「劇場にいることが好きなんです」

バレエシューズ割引あり!『今日と明日の間で』渋谷アップリンクで上映中
首藤康之さんに一問一答「劇場にいることが好きなんです」
『今日と明日の間で』より

世界で活躍するバレエダンサー首藤康之の激動の1年を追ったドキュメンタリー『今日と明日の間で』が現在渋谷アップリンクで上映中。それに伴い、3月21・22日に、映画にも登場する作品『アポクリフ』のベルギー王立モネ劇場での公演を終えたばかりの彼に、一問一答を行った。なお渋谷アップリンクでは、バレエシューズ(トゥシューズ)を持参の方は1,000円で鑑賞可能なサービスも実施している。

──『今日と明日の間で』が撮影された2010年には『時の庭』『空白に落ちた男』『アポクリフ』という画期的な作品の舞台に立っています。首藤さんにとって2010年というのはどんな年でしたか?

転機とも言えたかもしれません。この年は、映像になっていない海外公演なども含め、新しい作品とこれからも大切にしていきたいと思っていた作品の再演が同じような比率で上演され、今までの活動を振り返りながら新しい作品に取り組むという時間がとれた貴重な一年でした。

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『今日と明日の間で』より

──撮影にあたって小林監督やスタッフの方からは、なにかリクエストがありましたか?

特にはありませんでした。むしろ、皆さん常に僕の活動の妨げにならないよう接してくださっていました。

──この『今日と明日の間で』では故郷の大分のバレエ・スタジオや劇場の様子などが描かれます。首藤さんにとって故郷とは、大分という街はどんな存在ですか?

既に家族は東京におり、ああいった機会がなければ行くことのできない場所になっているのですが、帰ると安心します。
とくにバレエ・スタジオは幼少時毎日通った場所ですから緊張感の中にもリラックスできるんです。

──今作において首藤さんはカメラを前に驚くほど素顔を露わにしているように思えます。それができた理由はどこにあるとお感じになりますか?

先程も少しお話しましたが、とにかくプロデューサー、監督、カメラマンはじめ、スタッフの皆さんが僕の活動全てを尊重してくださったので、その安心できる空間で、ごく自然に振る舞うことができました。コミニュケーションが良くとれていたように思えます。皆さんに感謝です。

──誰よりも早く楽屋入りをする姿、黙々と稽古をする姿が印象的ですが、ひとりでいる時間は、創作に必要な時間と言えるのでしょうか?

そうですね。創作にも必要ですし、心身を休めて集中するための時間でもあります。劇場にいることが好きなんです。(笑)

──今作は首藤さんが40代を迎える時期が捉えられています。首藤さんがいま40代を迎えられて、 20代と比べてどのような心境の変化がありますか?

正直、特別変わりはありません。むしろ好奇心が募り、毎日が充実していて、心身のバランスが日々とれてきているように思えます。

──また、首藤さんにとって歳を重ねるというのはどのような意味を持っていますか?

素敵なことだと思います。単純に楽しいです。

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『今日と明日の間で』より

──椎名林檎さんがテーマ音楽を手がけていますが、椎名さんの音楽・旋律の魅力はどんなところでしょうか?

椎名さん自身やパフォーマンスには躍動感と合わせて、いつもエレガントな部分を感じていて、今回つくっていただいた音楽も正にそう感じました。

──様々なダンス作品へたゆまぬ挑戦を続けていますが、参加する作品を選ぶ基準を一言で表現すると?

直感

──この作品を通して初めてダンスの世界に触れる方も少なくないと思います。 ダンスの文化をこれから新しく知る方へ首藤さんからアドバイスがあったらお願いします。

「舞台を観に行く」というととても面倒でかしこまったイメージをお持ちになる方もいらっしゃるかと思いますが、もし、この映画をきっかけに少しでもご興味を持っていただけたようでしたら、是非一度劇場空間にお越しいただけたら嬉しいです。また、その特別な空間が皆さんの気軽に楽しめる空間になってくさればもっと嬉しいです。

(メールインタビュー:駒井憲嗣)



首藤康之 プロフィール

9歳からバレエを始め、15歳で東京バレエ団入団。19歳で『眠れる森の美女』に主演したのを皮切りに、古典をはじめ、モーリス・ベジャール振付「M」「ボレロ」他、世界の名だたる振付家の作品に数多く出演。04年東京バレエ団を退団、特別団員に。以降も浅野忠信監督の映画「トーリ」、06年東京バレエ団ディアギレフ・プロ「牧神の午後」などに主演。07年自身のスタジオ「THE STUDIO」をオープン。以降、国内外問わず活動の場を広げている。
http://www.sayatei.com/




映画『今日と明日の間で』
渋谷アップリンクで上映中

今まで多くを語らなかった彼が、胸に秘めてきた思いを初めて語る―。2010年の全ステージ、新作『時の庭』、首藤の新境地を開いたともいえる異色作『空白に落ちた男』『アポクリフ』、そしてこの映画のために中村恩恵が新たに振り付けた新作ソロダンス「Between Today and Tomorrow」を撮影、さらに斎藤友佳理、小野寺修二、シディ・ラルビ・シェルカウイが語る首藤の素顔や、モーリス・ベジャールとの貴重な稽古風景も公開。

3月30日(金)まで 連日12:40/21:00
3月31日(土)より 連日12:40

料金:一般1,500円/学生1,300円(平日学割1,000円)/シニア1,000円/UPLINK会員1,000円
バレエシューズ割引あり!
バレエシューズ(トゥシューズ)を劇場窓口でご提示いただくと、一般1,500円のところ1,000円でご覧いただけます。

監督:小林潤子
撮影:大髙明毅
照明:花村浩
録音:森英司、富野舞
編集:大重裕二
制作:ドキュメンタリー ジャパン
製作:スタイルジャム/ロードアンドスカイ・オーガニゼーション/アースアロマジャパン
2011年/日本/カラー/88分/ステレオ
公式HP:http://kyo-asu.com/


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