骰子の眼

cinema

東京都 港区

2010-05-27 09:50


次の日本映画界を背負って立つ若手作家の登竜門『ダイゲイ フィルム アワード 2010 in TOKYO』5/29、30開催

映画監督の原石を発見できるイベント六本木にてスタート、前野朋哉監督×石井裕也監督対談など特別プログラムにも注目。
次の日本映画界を背負って立つ若手作家の登竜門『ダイゲイ フィルム アワード 2010 in TOKYO』5/29、30開催
右上より時計回りに山下敦弘監督『黄金虫』[5/30上映](C)2010 にほんのうた実行委員会、瀬田なつき監督『シャボン玉』[5/30上映](C)2010 にほんのうた実行委員会、映画コース研究室賞受賞『自転車と電車』[5/30上映]、表現研究コース研究室賞受賞『かみんぐあうと』[5/29上映]

これまでにも山下敦弘監督や熊切和嘉監督など秀でた映像作家を輩出してきた大阪芸術大学の映像学科卒業制作展が東京でも『ダイゲイ フィルム アワードin TOKYO』と題し5月29日、30日の2日間にわたってシネマート六本木で開催される。今年で4回目を迎える2010年は、2009年度卒業制作から映画コース、表現研究コース、アニメーションコース、記録コースの計4コースから厳選された32作品が一挙上映。映像のプロフェッショナルを志す学生たちから、山下敦弘監督、石井裕也監督に続く新たな才能が羽ばたいていくことが期待される。

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清水艶監督『ホールイン・ワンダーランド』[5/30上映] (C)2010 VIPO

さらに今年は特別プログラムとして、坂本龍一氏の音楽プロジェクト『にほんのうた』を映像化した10編の短編を上映する『にほんのうた フィルム赤盤』も初夏からの巡回上映に先立って観ることができる。様々な分野で活躍する映像作家たちが現在第四集まで発表されているアルバム『にほんのうた』に収められた唱歌・童謡を、未来を担う子供たちのためにオリジナルのショートフィルム化するという企画で、映像学科長の大森一樹監督が、同学科OBの山下敦弘監督をはじめとした映像クリエイターとともに参加。山下敦弘監督が童謡『黄金虫』を、犬童一心監督が唱歌『この道』をモチーフに短編映画を制作している。今回は大森一樹監督と、同プロジェクトの短編映画を演出した小林聖太郎監督による、『にほんのうた』にまつわるトークショーも実施され、プロジェクトの全貌を作品から、そしてトークから垣間見ることができる。

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映画コース学科賞受賞作品『ツジキリヒト』[5/29上映]

また今年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭のオフシアター・コンペティション部門で審査員特別賞とシネガーアワードの2冠を達成した『脚の生えたおたまじゃくし』(前野朋哉監督/2007年度卒業)や、VIPO制作の35ミリ短編映画『ホールイン・ワンダーランド』(清水艶監督/2005年度卒業)といったOB監督による劇場公開前の作品も楽しみなところ。

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前野朋哉監督『脚の生えたおたまじゃくし』[5/29開催]

特別プログラム『脚の生えたおたまじゃくし』上映の後には、前野朋哉監督と、現在好評上映中である『川の底からこんにちは』の石井裕也監督による師弟対談とも言えるトークショーが実施され、優れた若手映画作家の発掘と育成を行う目的でndjc(若手映画作家育成プロジェクト)制作実地研修完成作品『ホールイン・ワンダーランド』上映後には清水艶監督も登壇。いずれも入場無料となっているので、これからの日本の映画界を担う未知なる才能を発見しにきてみてはいかがだろうか。

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アニメーションコース学長賞受賞作品『ニッポニテスの夏』[5/30開催]

『ダイゲイ フィルム アワード 2010 in TOKYO』
2010年5月29日(土)~30日(日)

会場:シネマート六本木(東京都港区六本木3-8-15)[地図を表示]
主催:大阪芸術大学・映像学科
無料上映
※詳細・スケジュールは公式サイトから


【関連イベント】
関西ゼロ年代映画祭
2010年6月11日(金)~6月25日(金)渋谷アップリンク(東京都渋谷区宇田川町37-18)[地図を表示]

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