骰子の眼

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東京都 渋谷区

2010-05-09 11:50


[BOOK] カテゴリーを越えて聞く人を繋げていく音の魅力を解明する『SOUND ART──音楽の向こう側、耳と目の間』レビュアー募集

ジム・オルークによるまえがきを所収。サウンドアートの歴史とその発展、新たな展望を示す研究本
[BOOK] カテゴリーを越えて聞く人を繋げていく音の魅力を解明する『SOUND ART──音楽の向こう側、耳と目の間』レビュアー募集

「本書を読んだあと、音に目を向けたあなたは、それが音なのかアートなのかを自問することになるだろう。そしてまたもやスタート地点に立つことになる」(ジム・オルークによるまえがきより)。美術館を脱し、野外、自然、環境へ。あるいは、アカデミックを脱し、ロック、ポップ、クラブ・カルチャー、デジタル・マテリアリズムへ。人間がもつ根源的な音への欲望を探る、新しいサウンドアートの地図。NYアンダーグラウンドの熱気の中で過ごした、音楽家でありミニマル・ミュージック研究家でありジャーナリストとしての顔を持つアラン・リクトが、アカデミックなカテゴリーから脱し、現場で皮膚感覚で得た「音」をめぐる「アート」のさまざまな事象を縦横無尽に書き尽くした、これまでにないサウンドアートの地図作成の試みです(以上、資料より引用)。

デレク・ベイリーらとの交流でも知られるニューヨークの音楽家、アラン・リクトがサウンドアートについて探求した『SOUND ART──音楽の向こう側、耳と目の間』が発表された。1980年代より用いられるようになったサウンドアートという言葉の発祥から、自然や環境と音の関連、そして絵画との相互作用をはじめ彫刻や映画・ビデオといったアートにおける音の役割まで。ポップ・ミュージックと前衛音楽を横断ししながら私たちが音に求める魅力について、丁寧に解き明かしていく名著だ。日常と非日常における音の存在、今回の日本語訳にあたり、盟友ジム・オルークによるまえがきが収められており、またマイク・ケリーや池田亮司など、約90点に及ぶ豊富な図版を収録。そして関連アーティストの詳細なバイオグラフィもうれしい。巻末には、恩田晃による特別寄稿「アラン・リクトについて」を所収している。


『SOUND ART──音楽の向こう側、耳と目の間』コンテンツ(抜粋)
PART 1 サウンドアートとは何か?
サウンドアートという用語
美術館で扱われるサウンドアート/"音楽はどこにでも存在し、あらゆる音に存在する"/音楽が宿命から解き放たれる時/サウンドアートの提示と鑑賞
視覚 vs 聴覚/音 vs 無音
日常における聴覚と視覚の相性/サウンドアートの3つの分類/音と視像の分離に見るサウンドアートの起源/形をもたない声─電話、ラジオ、映画/トーキー映画の音声とモンタージュ/音と映像のシンクロ効果/音声と映像の不一致効果/録音を「芸術」としてとらえる/音響、反響、空間性/録音物 vs 場所性/建築とサイト・スペシフィシティの関係/教会音楽、交響楽団とサイト・スペシフィシティ/空間とミュージック・コンクレート/シュトックハウゼンの空間音楽/ラ・モンテ・ヤングのよく調律されたピアノ/コンサート・ホールの柔軟な使い方


アラン・リクト プロフィール

1968年ニュージャージー生まれ。音楽家/ギタリスト。90年代から音楽活動を開始。Run On、Love Childなどのインディ・ロック・バンドを経て、デレク・ベイリー、ジョン・ゾーン、リース・チャタム、マイケル・スノウ、ローレン・コナーズら幅広いアーティストと共同作業と続けてきた。また、ニューヨークの前衛音楽シーンの中心的なクラブ〈Tonic〉で2000年から2007年の閉鎖までブッキング担当も務めた。ライター、ジャーナリストでもあり、音楽、映像、アートに関して『WIRE』『Art Forum』『Modern Painters』ほか様々な雑誌に寄稿。著書に『An Emotional Memoir of Martha Quinn』(Drag City Press、2003年)。近年のプロジェクトに、音楽家・恩田晃とのコラボレーションや、スタン・ブラッケージなどの実験映画にあわせて即興演奏するリー・ラナルドとのText of Lightなどがある。

木幡和枝 プロフィール

東京藝術大学先端芸術表現科教授。訳書にデレク・ベイリー『インプロヴィゼーション 即興演奏の彼方へ』(共訳、工作舎)、ローリー・アンダーソン『時間の記録』(NTT出版)、スーザン・ソンタグ『この時代に想う テロへの眼差し』『良心の領界』『同じ時のなかで』(NTT出版)など。ベン・ワトソン『デレク・ベイリーとフリー・インプロヴィゼーションの物語』(仮題、工作舎)とスーザン・ソンタグの日記『Reborn』(河出書房新社)を2010年中に訳出刊行予定。

荏開津 広 プロフィール

ライター。東京藝術大学、多摩美術大学非常勤講師。著書『人々の音楽のために』(EDITION OK FRED)、『ロックピープル101』(共著、新書館)。訳書『ヤーディ』(トランスワールドジャパン)。エッセイ「Attempt to Reconfigure "Post Graffiti"」。

西原 尚 プロフィール

東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻、修士課程在籍


アラン・リクト
『SOUND ART──
音楽の向こう側、耳と目の間』

まえがき:ジム・オルーク
訳:荏開津 広、西原 尚
監訳:木幡和枝
日本語版特別寄稿:恩田晃
装幀:前田晃伸
ISBN:978-4-8459-0942-1
定価:本体価格2,500円+税
仕様:四六判変形/352ページ
発行:フィルムアート社
発売中



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『SOUND ART──音楽の向こう側、耳と目の間』を3名様に進呈。
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