ダムタイプなどの活動で知られる音楽家・山中透氏を中心に、毎回さまざまなゲストを招いたライブ演奏を楽しみながら、同時にマッサージが受けられるという究極のリラクゼーション・イベント『madorome(マドローム)』。昨年12月にアップリンク・ファクトリーで始まって以来、月イチの恒例イベントとして4月5日(土)で4回目を迎える。
※(写真上)左より山中透氏、石川智久氏、秋葉悦子さん
山中透氏と共に『madorome』を主催している山中暁子さんは、イベントのコンセプトについてこう語る。
「ズバリ、『創造の場』の提供です。究極のリラクゼーションは創造している時に訪れるということを前々からすごく感じていたけど、それを実証する機会がなくて。じゃあ皆さんを巻き込んでイベントにしてみようとしたら、セラピストやミュージシャンの中にも同じようなことを考えている人がいた…そこから、なんとなく始まったんですね。聴きながら、感じながら、カラダをほぐされながら、なにかこの世的でないことを、有形、無形関係なく創造してもらいたいんです。その時のカタルシスというか、解放された感じを是非味わっていただきたい。そのための仕組みづくりはしているつもりです」
“解放された感じ”と言う通り、このイベントでは靴を脱いで足を投げ出したり、地べたでゴロゴロしたりと好きな格好や体勢でゆっくりとくつろげる。
「今の東京じゃあ、外で好きな格好をすること事態、もう創造ですよね。決まりないですから、自分の声を聞いて自分の気持ちよさみたいなものを探らなきゃいけないんです。音楽的にもちょっと癖がありますね。リラックスといえば、環境系や民族系の音楽が定番なのに、機械音を使ったり、バロック調の鍵盤やレクイエムを流してみたり。リラクゼーションとは対局のようですが、休ませるというよりは『開く』、あるいは知覚を目覚めさせて心身を宇宙や自然とつなげてあげるみたいな環境がつくりたいんです。大袈裟かな(笑)。わかりやすく内容を説明しようと思うと、どうしてもライブを聴きながらマッサージが受けられますよ~ということになるんですが、実際は大分違った感触なのかも知れません」
ありきたりの心地よさではなく、ちょっと癖のある心地よさ、それが『madorome』の特徴とも言えるだろう。
「会場内の香りや明かりにも気を遣っているので、その辺りはお客様はきちんと感じとっているようです。リピータの方も多いですね。もちろん“マッサージいいわぁ”という感じで、皆さん満足して帰ってくださいます」
今回は、細野晴臣氏に見出され、ジョン・ウーがプロデュースしたアニメーション映画『apple seed -EXMACHINA-』にも参加した音楽家・石川智久氏と、セラピストの秋葉悦子さんをゲストに招いて開催する。
「いつも、透がなんとなく家でかけている曲で、“今回はこんなんちゃうか?”という一言で音楽のイメージを決めていきます。なんか宇宙から降りてくるらしいです。今回はバロックが『開く』ためのキーになっているようで、どういう展開になるかは“それだけは言われまへんなぁ”ということです(笑)。ただし、そのイメージづくりに白羽の矢を立てた石川(智久)君は大阪芸大の音楽科を主席で卒業しちゃうような、オペラかけちゃうような、細野(晴臣)さんに見込まれちゃうようなすごい腕の持ち主なんで、それだけでクオリティーが保証できるのは間違いないですね。ライブの他に毎回30分くらいの『リラクゼーションプログラム』というお客様参加型のワークショップを入れていて、前回まではヨガ系できたのですが、今回は新たにvoiceをつかったプログラムを入れてみることにしました。秋葉(悦子)さんはセラピストのご友人とはいえ、もちろんプロの方です」
山中さんが感じる『madorome』の魅力とは。
「参加してくれているミュージシャンの方々の他にも、映像クリエーターの矢吹和彦さんも参加しています。皆がこの企画を気に入ってくれて、その場をつくるために、実験をしたり、工夫をしたり…本当にイベント自体が『創造の場』になっています。東京ではなかなか出会えない、オリジナリティのある空間を感じることができると思います。今回の意気込みというか、ちょっとしたお楽しみとしては、ダムタイプが初めて東京公演をした87年の”pleasure life ”の楽曲を再演します。機材環境もそのときのまま再現します。今後ない企画かと思うのでダムタイプファンの方も是非足を運んでください!」
当日は、皆さんにリラックスしていただくために会場の内装もガラリと変わります。職業別のマッサージもあるそうなので、疲れた身心をとことんマドロームさせてみましょう。
(text:牧智美)
■山中透 PROFILE
音楽・DJ、ミュージシャン、FoilRecords主宰。大学在学中から京都を中心に実験音楽系のフィールドで活動を始める。京都のマルチ・メディア・パフォーマンス・グループ“dumb type”の音楽を1985年から2000年まで担当。独立後はシンガポールの舞台演出家ong kengsen、デンマークのファッションデザイナーAnnette Meyer、他ジャンルに渡る国内外のアーティストとコラボレーションを行い、楽曲提供のみならず、プロデュースやディレクションを含めたアートワークを展開。2004年からはライティングアーティスト、パフォーマーらとアートユニットflo+outを結成、ディレクションにあたっている。
近作に、2008年1月芦屋市立美術館で行われた薮内美佐子+松井智惠パフォーマンス“PICNIC”に参加。今後は、6月6~7日に門仲天井ホールにて「flo+out」新作公演(出演:山中透、高橋 匡太、玉城そのみ、他)を予定している。
『madorome(マドローム)』
日時:4月5日(土)
開場14:00/開演14:30
会場:アップリンク・ファクトリー
(東京都渋谷区宇田川町37-18 トルネビル1F)[地図を表示]
料金:2,000円
マッサージは別料金(1,000円/20分)
※マッサージ受付は開場時に行います
出演:
[LIVE] 山中透(エレクトロニクス) 石川智久(シンセサイザー)
[VJ] 矢吹和彦
[くつろぎプログラム] 秋葉悦子(voice)
【チケット予約方法】
下記項目を明記の上、件名を『予約/4月のマドローム』とし、メールにてお申込みください。
(1)お名前 (2)予約人数(最大3名まで) (3)電話番号 (4)住所
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