骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2009-12-16 17:48


[CINEMA] 南米音楽“フォルクローレ”に乗せて届く、「塩キャラバン」の旅に出る父親と息子の物語『パチャママの贈りもの』クロスレビュー

“パチャママ”=“母なる大地”が教えてくれる、本当の豊かさとは。家族とともにボリビアに暮らす少年・コンドリを主人公に、人と大地の温かさを描く。
[CINEMA] 南米音楽“フォルクローレ”に乗せて届く、「塩キャラバン」の旅に出る父親と息子の物語『パチャママの贈りもの』クロスレビュー
(C)Dolphin Productions

舞台は、南米ボリビアのアンデス高地・ウユニ塩湖。雄大な自然の中に暮らす先住民の家族は、塩を売り歩く「塩キャラバン」で生計を立てている。友人たちと雄大な自然の中を駆け回る少年・コンドリ。季節の移ろいの中で、祖母の死、友人の引越しを経験していくコンドリは父親とともに初めての「塩キャラバン」の旅に出る。

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(C)Dolphin Productions

鉱山で働く人から「時代遅れだ」と言われても、家業である「塩キャラバン」を続ける父親。コンドリと父親は旅の途中で、彼らの塩を待ちわびる様々な人たちと出会い、再会し、温かく迎え入れられる。そして友人の父親の死、出会った少女との恋を経験していくコンドリの姿を描いている。塩の代わりにたくさんの農作物を提供する人々、ご馳走を振舞う人々、行方不明になったリャマをともに探してくれる人々…。そんな強く優しい素朴な人々との交流が綴られた心温まる物語だ。

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(C)Dolphin Productions

出演しているのは、実際にボリビアに暮らす先住民であるケチュアの人々。タイトルの“パチャママ”とは、アンデス先住民の言葉で“母なる大地”という意味だ。母なる大地から生まれた塩をリャマに乗せて大切に運ぶ様子は、私たちに本当の豊かさとは何かを教えてくれる。南米の音楽“フォルクローレ”に乗せて届く、南米の雄大な自然、どこまでも青く澄んだ空。そしてその空の下、どんなに苦しい状況下でも子供たちの瞳は輝き、笑顔は眩しい。


『パチャママの贈りもの』

2009年12月19日(土)よりロードショー! 渋谷ユーロスペース
監督・脚本・編集・プロデューサー:松下俊文
出演:ケチュアの人々
配給:ゼアリズエンタープライズ 配給協力:マコトヤ 後援:駐日ボリビア多民族国大使館
2009年/日本・アメリカ・ボリビア合作/カラー/ステレオ/35mm/アメリカンビスタ/全6巻/102分/ケチュア語(一部 アイマラ語・スペイン語)/日本語字幕
公式サイト



レビュー(5)


  • rathsirさんのレビュー   2009-11-25 23:44

    小さな命と、

    家畜の命と子供達の想い、大人のしきたりと繰り返し続く生活の作業、 まるで方法も環境も思想も、哲学も違う日本とこの小さな国で起こる命の活動の差異って 一体なんだろう、、、。 それはつまり単純だけど、先人達が残したもの、何を捨て、何を先守したかなの...  続きを読む

  • ジークフリート太郎新之助さんのレビュー   2009-11-26 00:27

    たんたんと時は流れる

    まるで自分も目の前のパチャママの世界に入り込んだような錯覚。 まさに、大地の恵みそのものの、美しい映像美。 すべてのいらないものをそぎ落とした、ボリビア先住民の素朴な暮らし。 この映画が開始すると同時に流れる、なんともいえない「やぁ、やぁ、...  続きを読む

  • kotocoさんのレビュー   2009-11-27 17:09

    風を感じ、走る

    ストーリー以上に、一つひとつの場面が魅力的。監督が撮影に費やしたという6年分の歳月を味わうように、雄大な自然に身を任せるように堪能した。 鮮やかな朝焼け、乾いた大地とリャマの群れ、電気のない夜の闇―。これまで見たこともないような神秘的で多彩な風...  続きを読む

  • Sightsongさんのレビュー   2009-11-28 18:30

    貨幣経済とコミュニティについて考えさせる作品

     一見、美しい地域における貧しいながら誠実な少年の成長物語、といった体裁だ。  もちろん皮肉ではない。特異な風景という意味では、広大な塩湖という映像は圧倒的だった。そこで塩を切り出す仕事を手伝い、学校に通い、友だちと遊ぶ少年の姿は、詩的でさえあると...  続きを読む

  • とらねこさんのレビュー   2009-11-30 20:48

    どこを切っても”大地の恵み”、この雄大さ!

    映像でこうやって旅行が出来るなんて、なんて素敵なんだろう。 自分にとって映画を見る理由は、時にこうした素晴らしい景色に巡り合う妄想旅行に、連れて行ってくれるから。予告を見た瞬間から、絶対見てみたい!と思っていた。だって、ボリビアの民族、ケチュアの人...  続きを読む

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