『夕陽のガンマン』(監督:セルジオ・レオーネ/1965年/132分/カラー)
クリント・イーストウッド主演。大ファンの黒沢明『用心棒』のリメイクと聞き出演した『荒野の用心棒』(64)のヒットで、再びレオーネ監督と組んだ本作。無口な早撃ちヒーローの造形が爆発的な人気を獲得した。
今年で31回目を迎える恒例の映画祭『ぴあフィルムフェスティバル(PFF)』が、7月17日より東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催される。
同映画祭のメインプログラムである世界最大の自主制作映画コンペ「PFFアワード」では、569本の応募作品から選びぬかれた16本の入選作品が上映される。映画祭の最終日にはグランプリ他各賞が発表され、国内のみならず海外でも注目される新人映画監督が誕生することになる。
『大拳銃』(監督:大畑創/31分/カラー)
コンペティション部門「PFFアワード」での上映作品。経営が危うくなった町工場の兄弟に、拳銃密造の依頼がくる。「客」の厳しい注文に応えるべく没頭するうち、次第に異様な熱気が充満。安易な共感とは手を切り、血糊とアブラ汗で観客を覚醒させるクライム・アクション!
今年の招待作品部門では、アメリカ映画界の巨匠クリント・イーストウッドが、映画界に入ってから監督として歩み始めるまでの作品を特集上映。主演+監督の処女長編『恐怖のメロディ』、初めての西部劇監督作『荒野のストレンジャー』、初めて監督に専念し、大スター、ウィリアム・ホールデンを迎えたラブストーリー『愛のそよ風』(日本未公開)の3作品を中心に置き、更にそれらの作品を撮るに至るまでに、多大な影響を受けたセルジオ・レオーネ監督とドン・シーゲル監督作品への主演作も紹介する。
『半魚人の逆襲』(監督:ジャック・アーノルド/1955年/82分/DVD上映/白黒)
クリント・イーストウッド初出演(日本未公開)。名作『大アマゾンの半魚人』の続編で、当時は3-D映画として製作された。イーストウッドは研究助手ジェニングス役でクレジットも無いわずかな出演なのでお見逃しなきよう。
また、世界の映画人に多大な影響を与えてきた大島渚監督の諸作品の中から、特に先鋭的なテーマを持つ作品を「現役監督による講義+作品上映」という形式で解析。『愛のコリーダ』を若松孝二監督、『日本春歌考』『絞死刑』を黒沢清監督、テレビドキュメンタリー作品を是枝裕和監督が紹介する。
『愛のコリーダ』(監督:大島渚/出演:藤竜也/1976年/104分)
若松孝二監督を講師に招き、『愛のコリーダ』講座を開催。大島初のフランス合作で世界的ヒット作はどう創られたのか、プロデューサーに指名された若松孝二にとっての困難と発見は何だったのか、などを知る講座。
他にも、PFFアワード2007でグランプリを獲得し、さらに昨年の香港アジア・フィルム・アワードでは「エドワード・ヤン記念アジア新人監督大賞」を受賞した石井裕也監督による最新作『川の底からこんにちは』のワールドプレミア上映もおこなわれる。
『川の底からこんにちは』(監督・脚本:石井裕也/出演:満島ひかり/2009年/35ミリ/114分予定)
第19回PFFスカラシップ作品。佐和子を演じるのは『愛のむきだし』で強い印象を残した満島ひかり。彼女を中心に、さまざまな年代の登場人物たちが自分勝手にわがままに、しかし一所懸命に生き抜く姿を活写する、人間味溢れる群像劇が誕生した。
尚、ぴあフィルムフェスティバルに先立って、現在、東京国立近代美術館フィルムセンターの小ホールにおいて『日本インディペンデント映画史シリーズ2 ぴあフィルムフェスティバルの軌跡vol.2』を開催中(7月24日迄)。『男の花道第二部』(園子温監督)、『夕辺の秘密』(橋口亮輔監督)など第10回から第20回までの入選作品の上映を中心に、同映画祭の歩みを観ることができる回顧展となっている。
若手監督から巨匠監督の作品まで、映画ファンには見逃せない同映画祭に足を運んでみよう。
『第31回ぴあフィルムフェスティバル』
2009年7月17日(金)~31日(金)
会場:東京国立近代美術館 フィルムセンター 大ホール
(東京都中央区京橋3-7-6)[地図を表示]
◎8月1日(土)~5日(水) 同ホールにて、第31回PFFスペシャルプログラムを開催
※前売券の購入方法は電子チケットぴあホームページをご参照下さい。
※映画祭・スケジュールの詳細はコチラよりご覧ください。