2008年に『くりいむレモン旅のおわり』で商業映画デビュー。インディーズ時代に制作した短編作品が、ニューヨークの『JAPAN CUTS』やドイツの『ニッポン・コネクション2009』で上映されるなど、国内外から熱い注目を集めている前田弘二監督。その前田監督のインディーズ時代の全ての短編作品が、7～8月にわたりアップリンクから2枚に分けてDVDリリースされることになった。発売記念として7月4日、アップリンク・ファクトリーでイベントを開催する。
喜劇と悲劇、見る人によってどちらにもとれるような、日常からほんの少しはみ出した瞬間を巧みに描く、映画監督・前田弘二。本人は「喜劇と悲劇を分けて考えていません」と語る。
小沢まゆと吉岡睦雄のちょっとずれた会話が面白い『古奈子は男選びが悪い』（第10回水戸短編映像祭グランプリ受賞）
今年4月にドイツのフランクフルトで開催されたヨーロッパ最大の日本映画祭『Nippon Connection2009』において、「Koji MAEDA Special」と題された特集が組まれ、その中で、会場と東京をネットカメラで繋ぎ、観客と前田監督が直接会話するという企画も行われた。前田監督の作品は、リアルな会話と自然体の演技で日本の若者の生態を生々しく描き出すという特徴を持つが、意外にもドイツの観客に「こちらの意図が結構伝わって嬉しかった」そうだ。
そんな前田監督のインディーズ時代の短編作品が、年代別に2本に分けて、アップリンクより（7月8日・8月7日）発売される。続けて見ると初期から最新作に至る流れが一望できるが、前田監督の中で作風の変化などはあるのだろうか。
「個人的には、自分にあるスタイルというものを壊しながらやってきたつもりです。自分に揺さぶりをかけて、自分の想像の限界をぶっ壊して作っていくのが好きなんです」
映画『オカルト』での怪演も話題になった宇野祥平さん主演の『鵜野』（ひろしま映像展2005グランプリ＆演技賞W受賞）
7月4日のイベントには、前田弘二監督と『古奈子は男選びが悪い』に出演している俳優の宇野祥平氏がゲストで登場。最新作『先輩の女』と怪作『ラーメン』に加え、本邦初公開の2作品『俳優宇野祥平さんから見た監督前田弘二』、『ハナムグリ』の計4本を上映する。これは前田弘二ファンから初心者まで楽しめる内容になるはずだ。乞うご期待！
■前田弘二PROFILE
1978年種子島生まれ。三重県で美容師として2年半働き、その後東京で独学で自主映画を作りはじめる。05年、『女』と『鵜野』が、ひろしま映像展2005において、グランプリ＆演技賞をW受賞。06年、『古奈子は男選びが悪い』が、第10回水戸短編映像祭において、グランプリを受賞。07年、『女 前田弘二監督特集』が、テアトル新宿にて一週間のレイトショー公開。1000人を超える観客動員を記録。08年、『くりいむレモン 旅のおわり』で商業映画デビューを果たす。
前田弘二 公式サイト
『前田弘二監督作品集Ⅰ』発売記念上映会
2009年7月4日（土） 開場14：30/開演15：00
ゲスト：前田弘二、宇野祥平（俳優）
上映作品：『先輩の女』『ラーメン』『俳優宇野祥平さんから見た監督前田弘二』『ハナムグリ』
会場：アップリンク・ファクトリー
（東京都渋谷区宇多川町37-18トツネビル1F） [地図を表示]
料金：1,500円（ドリンク付き）
DVD『古奈子は男選びが悪い～前田弘二作品集Ⅰ～』
2009年7月8日（金）アップリンクより発売
監督・脚本：前田弘二
出演：小沢まゆ、鈴木なつみ、宇野祥平、吉岡睦雄
恋人が出来るとすぐに同棲してしまう古奈子。しかし、いつも長続きしない。そんな 古奈子を見兼ねた親友・美樹が「古奈子を救え！」と、合コンを企画。男を見る目の ない古奈子に、自分の厳選した「いい男」を紹介してくれるというのだが、やってきたのは微妙な男たちで…。
他、『鵜野』（26分）、『先輩の女』（30分）、『ラーメン』（10分）の4本（全116分）を収録。
アップリンク・ニュー・ディレクターズ・シリーズ公式HP
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