(左)ミッキー・ローク主演『レスラー』 (C) Niko Tavernise for all Wrestler Photos、(右)西川美和監督『ディア・ドクター』 (C)『Dear Doctor』製作委員会
健康がイッチバーーン!!と思い禁煙は絶対しないぞと決意したのです。にしても夜寝て朝起きると言う事が、色々ありますて中々できないなか映画『レスラー』(ミッキー・ローク主演)に出会ったのでした。
お話は、マジでプロフェッショナルレスラーの人生で20年前は、8ビットなファミリーなコンピューターゲームの主人公になるぐらいヒーローになったランディー(ミッキー・ローク)は、20年後ズタボロなのです。娘(エバン・レイチェル・ウッド)はいるが、嫁はいない、とにかくプロレスラーのランディーな生き方だから、娘に絶縁状態で、寂しい時はストリッパーの女子(マリサ・トメイ)に会いに行く、金ない、借りてる部屋もなくなりかけ、あるのはランディーという過去の栄光……
『レスラー』 (C) Niko Tavernise for all Wrestler Photos
ミッキー・ロークは80年代にセックスシンボルなスターでありますて、その後、ボクシングやって、来日試合して猫パンチしてたので今だに怒ってる人がいるのです。けどその後、90年代になるとミッキーはおらん事になってます。ミッキーがいなくても映画ファンは生きれるから。
プロレスラーな体を創り、体をはってミッキーかランディーか分からないぐらい気持ちの入った心がイタクなる演技なのです。アローンになったミッキーが、微笑む時、色んな想いそこにあるのです。最後ら辺でガンズ・アンド・ローゼズの曲(有名なのはCD持ってないから曲名分からんス)で入場で、涙がちょちょぎれますた。プロレスという設定で描いたミッキーロークが生きてる映画なのです。ミッキーの寿命が縮まってなかったらええなーと思うのだ!!まだ自分もイケル!!と思える元気になる映画である。
病は気からだ!そしてやはり気つけにはヘビーなメタルなのだ!!と思ってる頃に、映画『ディア・ドクター』(西川美和監督作)に出会ったのです。
お話は、ある地方の村で医者伊野(鶴瓶師匠)がおって、ほとんど老人ばっかの過疎の村で、そこに研修で東京からきたボンボンの相馬(瑛太)がやってきて、看護婦(余貴美子)と製薬会社の斎門(香川照之)とがんばっておるのですが、上品な未亡人かず子(八千草薫)がぶっ倒れ、医者の娘(井川遥)に、心配かけたないないから嘘ついて黙っててと鶴瓶師匠と約束するのですが、鶴瓶師匠もある嘘をついてて大変なのです。で、鶴瓶師匠の失踪から始まってて、なんでこうなったの?というサスペンスなのです。
鶴瓶師匠がいないと成り立たない映画でありますて、現実(規則)という厳しさ、未来への不安、に対する人の心の有り様を西川監督は、鋭くそして尖って問いかけるのですが、鶴瓶師匠は気の効いたユーモアがあるのです。たまに見える目が怖い!!って思った瞬間もあるのですが、色んな事を見つめた眼差しなんですねん。突っ込み役のカッコイイ余貴美子さん、嫌な人役の香川照之さんの演技もスゲーのです。
『ディア・ドクター』 (C)『Dear Doctor』製作委員会
画面の構築もめっちゃちゃんとしてますて、西川監督はとにかく上手いのです。西川監督の両親がみたらどう思うのであろうか?(ワタスは、鬼畜大宴会<熊切監督作>をオカンに見せたら怒られた)。因みに音楽も生の心を描いてるんで生演奏なのだ!!音楽が良くて画面にぴったしで(音と絵のバランスがあってる映画はあんまりない)、古き良きステキな音であるのです。和太鼓!!かな?と思う音とか、ファンキーな創意とスイングな工夫があるのです。
で、鶴瓶師匠と八千草薫さんの二人のシーンは切ないが、落ち着くのです。背中で反応しあってるのでした。鶴瓶師匠は嘘で生きてるけど、二人には特別な信頼と信用があったりするのです。しかしながら、この映画は最後まで気がぬけないぞ!!なのです。仄かに元気になる心に効く映画のです。
結論、両作品ともツミかさねた人生を描いてるのですが、その背中を観れてよかったのです。良いものは良いから、元気になるのです。病院いくなら、この2作品を観た方がよいのだ!!
【両作品を書くための無駄なキーワード】
『レスラー』
猪木対マサ斉藤の巌流島対決、ダイナマイト・キッド、フライvs高山、ビヨンド・ザ・マッドとハルク・ホーガン、メガデス、E・Z・O(FLATBACKER)、ケジメなさい(マッチ)
『ディア・ドクター』
医者を目指す君たちへ(和田秀樹)、チベット精神医学、安部公房、DARPA(http://www.darpa.mil)、片山洋次郎(整体と気)、セカンドオピニオン、Asylum StreetSpankers、バッハのピアノ曲、映画「ノン子36歳(家事手伝い)」
(文:松本章)
【過去の映画コラム】
『バサラ人間』(2009.3.25)
『buy a suit スーツを買う』『ニセ札』(2009.4.10)
『サスペリア・テルザ 最後の魔女』(209.5.1)
『インスタント沼』『サガン-悲しみよ こんにちは-』(209.5.23)
『レスラー』
2009年6月13日(土)より、シネマライズ、TOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
80年代に人気を博したスター時代から人生のどん底をなめた男ミッキー・ロークの全身全霊をこめた演技は、アカデミー賞にノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞などの名だたる映画賞の主演男優賞を総ナメにした。全世界の映画賞54冠に輝いた今年最高のヒューマンドラマは、人間の可能性には限りがないという希望を与え魅了する。
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ミッキー・ローク、エヴァン・レイチェル・ウッド、マリサ・トメイ、他
主題歌:ブルース・スプリングスティーン 「ザ・レスラー」
2008年/イギリス/95分
配給:日活
公式サイト
『ディア・ドクター』
2009年6月27日(土)より、シネカノン有楽町1丁目ほかにて全国ロードショー
『蛇イチゴ』『ゆれる』の西川美和監督が、へき地医療や高齢化など現代の世相に鋭く切り込む人間ドラマ。本作で映画初主演を務める笑福亭鶴瓶が無医村に赴任した医師を演じ、その医師の失踪をきっかけに浮かび上がる彼の人物像を軸にした心理劇が展開される。人間の複雑な内面をえぐり出すことに定評のある西川監督のオリジナル脚本に期待。
監督・原作・脚本:西川美和
出演:笑福亭鶴瓶、瑛太、余貴美子、井川遥、香川照之、八千草薫、他
2009年/日本/127分
配給:エンジンフイルム+アスミック・エース
公式サイト
■松本章(まつもと・あきら)PROFILE
1973年生まれ、伊勢男子、現在西成在住。熊切和嘉監督全作品、山下敦弘初期作品の映画音楽をプロデュース。最近は、熊切和嘉監督『ノン子36歳(家事手伝い)』(全国上映中)、内藤隆嗣監督『不灯港』(7月上旬公開予定)、山﨑裕監督『トルソ』の音楽を手掛けた。特技は、直感。なりたいのは、音楽の、あつかいにくい新人?でした。
マイスペース
ブログ・新今昔日記第二巻