骰子の眼

art

東京都 渋谷区

2009-06-16 23:00


インドとアルゼンチンから新進気鋭のアーティストが東京に滞在、新作ドローイングを発表!

6/23より『紙遊び ― ムナム・アパンとフロレンシア・ロドリゲス・ヒレスの新作展』 がGALLERY SIDE2にて開催される。
インドとアルゼンチンから新進気鋭のアーティストが東京に滞在、新作ドローイングを発表!
ムナム・アパン『無題』/ ファブリアーノ・コールドプレス紙、インク、綿紙、糊/ 2009年 / (参考作品)

インド出身のムナム・アパンとアルゼンチン出身のフロレンシア・ロドリゲス・ヒレス。2人のアーティストが、東京に3ヶ月間滞在しそれぞれの文化的背景および東京滞在中の発見や経験を融合させて制作した新作ドローイング作品を発表する。
6月23日よりGALLERY SIDE2 にて開催される、The BAR vol.3 『紙遊び ― ムナム・アパンとフロレンシア・ロドリゲス・ヒレスの新作展』は、バッカーズ・ファンデーション(オーナー型経営者が集い社会貢献事業を行なう経営者有志の任意団体)と特定非営利活動法人 アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]が開催するもので、2人のアーティストは今回、アーティスト・イン・レジデンスプログラム(若手アーティストとキュレーターの招聘・派遣を行うプログラム)によって東京に滞在、今回が日本で始めての展示となる。

ムナム・アパンは、無意識や偶然性にまかせて手を動かすことで生まれる幻想的な世界を、緻密なドローイングで描きだしている。そこに映し出されるのは、アパンの出身地であるインド北東の部族が語り継いできた物語で、それらは、絵や文字にされることはなく、口伝で受け継がれてきたという背景を持つ。アパンは、そうした物語を文字や符号、シルエットの数々に置き換えることで、物語の意味や情景を幾通りにも紡いでいく。丁寧に描き込まれた作品は、さらに、紙を折る、切れ目を入れて立ち上げるなどの行為のなかで、平面から立体へと変化を遂げていく。そして、彼女が作品の中に書き綴る夢言葉と同じように、形態の定義やその境界線をぼかしながら、私たちの前に立ち現れる。

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ムナム・アパン『いつも思いださせてほしいから』/ ファブリアーノ・コールドプレス紙、インク、綿紙、糊  63.5×55.8×12.7cm / 2008年 / (参考作品)

フロレンシア・ロドリゲス・ヒレスの作品の多くには、舞台や小道具、衣装などが描かれ、戯曲の一幕のような幻想的な世界観が投影されている。一見、ギャラリーの壁に無作為に並べられたかのようなドローイングの数々は、実際にはそれぞれが関係性や共時性を持ち合うことで、舞台を鑑賞しているような時間の流れをつくりだしていく。そこに散りばめられた図形や地形、模様は、劇的な場面を演出し、それを鑑賞する私たちは、鳥や岩、火などが使用される神秘的な儀式から、神話的な生物、日本の能からギリシャ劇まで、様々な文化や伝説と対峙することとなる。

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フロレンシア・ロドリゲス・ヒレス『人間たちを連れてきて。食べて、生まれ変わらせてあげるの』シリーズより / 2009年 30×50 cm / 紙、インク、グァッシュ絵具 /(参考作品)

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本展のタイトル『紙遊び』が示すように、ドローイングという手法を用いて制作を行った2人は、紙の上に劇場をつくり、その上で様々な芝居を公開するかのように、鑑賞者と作品の新しい関係性を生み出していく。自己のこれまでの経験や、初めて滞在する東京という都市に覚えた鮮烈な印象を交差させたそれらの作品は、フランスの哲学者、アンリ・ベルクソンの言葉で例えるなら、「生の飛躍」(elan vital / エラン・ヴィタール)ともいえる力を秘めているのではないだろうか。生命の進化が予測できないような飛躍による創造的な活動であると表されている「生の飛躍」のように、いきいきとした活力をたたえた2人の新作は、新たな可能性を秘めた変化の時を迎えようとしている。

今回は展示と併せて、ムナム・アパンとフロレンシア・ロドリゲス・ヒレスによる アーティストトークが6月27日に行われる。2人が東京滞在中に経験したことや見たもの、また、作品制作の過程や展覧会出品作品についてアーティスト自身がが解説する。この機会にアーティストの作品と生の声を体感してみよう。

AIT/エイト公式サイト




紙遊び ― ムナム・アパンとフロレンシア・ロドリゲス・ヒレスの新作展
2009年6月23日(火)~7月4日(土)

会場: GALLERY SIDE 2
(港区東麻布2-6-5 タトルビル1F TEL: 03-6229-3669)[地図を表示]
開廊時間:11:00~19:00(最終日は17時まで)
休廊:日曜日・月曜日
入場料:無料
展覧会レセプション:6月26日(金)18:00~20:00 ※日時にご注意ください

ムナム・アパンとフロレンシア・ロドリゲス・ヒレスによるアーティストトーク
2009年6月27日(土)14:00~15:00

会場: GALLERY SIDE 2
(港区東麻布2-6-5 タトルビル1F TEL: 03-6229-3669)[地図を表示]
定員:20人(予約制)
参加無料・逐次通訳付(和英)

●予約方法
office@a-i-t.net 宛てに、タイトルを「ムナム・アパンとフロレンシア・ロドリゲス・ヒレス参加希望」とし、お名前、ご所属、ご連絡先を明記した申込メールをお送り下さい。折り返し予約確認のメールを差し上げます。なお収容人数に限りがある為、予約をキャンセルする場合は事前にご連絡をいただけますようお願いいたします。

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