(左より時計回り)『おもちゃの国』(ドイツ/2007年)、『始まり』(インド/2007年)、『エドガーとエリザベス』(オーストラリア/2007年)、『マネー,マネー,マネー』(スウェーデン/ミュージックビデオ/1976年)
米国アカデミー賞公認、日本発・アジア最大級の国際短編映画際『Short Shorts Film Festival(ショートショート フィルム フェスティバル)』が、6月4日(木)~7日(日)に表参道ヒルズ、10日(水)~14日(日)にラフォーレミュージアム原宿などで開催される。また、2004年にスタートした『Short Shorts Film Festival Asia(ショートショート フィルムフェスティバル アジア)』も同時開催され、世界50カ国もの国々から寄せられた、3600本以上もの応募作品の中から厳選したショートフィルムを一挙上映する。
毎年、見所満載の同映画祭では、さまざまなスペシャルプログラムが組まれており、今年はハイクオリティーな作品を多く輩出するスウェーデンと、数々の大作を世界に送り出すインドをピックアップし特集上映をおこなう。
【アカデミープログラム】
最新のアカデミー賞短編部門を受賞作品をはじめ、過去の受賞、ノミネート作品を一挙上映。本年度アカデミー賞短編実写部門受賞の『Toyland(おもちゃの国)』(ドイツ)を始め、同じく昨年度のアカデミー賞短編実写部門受賞の『The Mozart of Pickpocket』(フランス)など、オスカー獲得作品も上映する。写真右:『おもちゃの国』(監督:Jochen Alexander Freydank/ドイツ/2007年) 1942年ドイツ。息子を守るためにマリアンはユダヤ人は「おもちゃの国」に遊びに行くのだと嘘をつく。しかしある朝、息子はユダヤ人と共に姿を消す。
【インド特集】
「追いつけ追い越せハリウッド!」―「ボリウッド」という言葉があるように、数々の大作を生み出し続ける映画大国インド。3時間強のミュージカル調の作品が多い中、今回のインドプログラムでは一味違ったインド映画の世界を“ショートフィルム”でお届け。マエストロショートには、現在ハリウッドにも活躍の場を広げ、日本でも長編が公開となったミーラ・ナイール監督( 『モンスーン・ウェディング』)の社会派ショートフィルム『Migration』(2007年製作)を上映。フィクションでありながらも、インドにおけるHIVの実情をまじまじと見せ付けられる、非常に感慨深い作品。
写真右:『始まり』(監督:Santosh Sivan/インド/2007年) トラックの運転手が、荷台に隠れていた少年を見つける。少年は彼を置き去りにした母を捜す旅をしているというが…。
【スウェーデン特集】
デザインのスタイリッシュさや、人と物を大切にする温かなライフスタイルに人気が高い、スウェーデンの魅力が詰まったスウェーデン作品を上映。マエストロ作品としては、『ギルバート・グレイプ』『ショコラ』で有名なラッセ・ハルストレムが注目されるきっかけとなった、ABBAのミュージッククリップ、そして、スウェーデン映画界の巨匠イングマール・ベルイマンの秘蔵ショートフィルムを特別上映する。
『アパートの一室、6人のドラマー』(監督:Johannes Stjarne Nilsson & Ola Simonsson/スウェーデン /2001年) ストックホルム郊外の落ち着いた住宅街に現れたのは、世にも奇妙な6人のドラマーたち。老夫婦の家に入り込んだ、彼ら“の華麗なる”パフォーマンスとは、一体何!?
また、11年目を迎えた同映画祭の今年のオフィシャルコンペティションの応募総数は、過去最高の3635作品。その中から、映画祭実行委員会によって厳選された約70作品がコンペティション大賞作品として一挙上映。これらの作品の中からグランプリに輝いた作品は、2010年度の米国アカデミー賞短編部門において選考大賞作品となる。
【インターナショナル部門】
世界中から集まった2520作品の中から、見事に先行された珠玉の17カ国、38作品を紹介する。2520作品の頂点に輝くのは、どの作品か? あなたの目で確かめよう。
写真右:『エドガーとエリザベス』(監督:Renee Webster/オーストラリア/2007年) シャイな新人コピー係、エリザベスからのSOS!やって来たのはどもり気味のコピー機修理工、エドガー。二人はお互いを意識しながらも、敵対心むき出しのコピー機に悪戦苦闘する。
【ジャパン部門】
今年のアカデミー賞短編アニメーション部門で受賞を果たした、加藤久仁生監督(『つみきのいえ』)に続く、新たな才能に期待が寄せられているジャパン部門では、289作品の中から厳選された、12作品が次のアカデミー賞ノミネート候補の座を目指して、競演する。
写真右:『ア リトル ステップ』(監督:中村哲平/日本・アメリカ/2008年) 自分の居場所を求めて旅に出た8歳のアレックスと、同じく自分探しの旅を続ける一郎。砂漠で運命的に出会った二人。そして二人が踏み出す小さな一歩。伊原剛志が企画、脚本、製作総指揮、出演をし、全編英語でアメリカ人キャスト、スタッフと共にLAで撮ったショートフィルム。
【アジアインターナショナル部門】
華麗なるアジアン・ショートの魅力に年々注目が高まるアジアインターナショナル部門には、485作品の応募が集まった。コンペティションに勝ち進んだ、(5カ国)、17作品の、熱き闘いから目が離せない。
『踊るイヌ』(監督:Seung-koo Jeong/韓国/2008年)
番組放送直前に、「踊るイヌ」を撮影するよう迫られたテレビプロデューサーのヨンジャ。けれど現場で待っていたのは、一見フツーの犬。おまけに、飼い主の女性は「このイヌは言葉も 話せる」と言い出して…。
他にも、2008年に新設された「ストップ!温暖化部門」では、世界各国から“温暖化”をテーマに300本以上集まったショートフィルムの中から厳選された作品を、オフィシャルコンペティションプログラムに散りばめて上映。 また、今年より「ミュージックShort部門」が新設され、各レコード会社とともに、ショートフィルムの視点でセレクトしたミュージックビデオ作品を集め、人気の韓国ミュージッククリップや、国内話題のアーティストの曲も登場する。新しいショートフィルムの味わいが楽しめる。
写真右:特別上映作品 Green Film Project『everyday』(監督:森田淳子/日本/2008年) 環境問題の「警鐘・啓蒙」にとどまらず、ひとりひとりの「行動」へ。二人の男女のふとした一週間の日常生活を描きながら、実践できる「エコ」を発信。 出演は加瀬亮、真木よう子。(C)Green-Film-Project
同映画祭と連動して、横浜にあるショートフィルム専門映画館「ブリリア ショートショート シアター」では、今年のフランス映画際2009で上映された「フランス短編特集」を再上映する。今後は、名古屋、メキシコでも開催される予定だ。
普段これだけの数の短編映画はなかなか観られない! この機会に足を運んでみよう。
『Short Shorts Film Festival & Asia 2009』
2009年6月4日~6月14日
会場:表参道ヒルズ スペース [O:](オー)
(東京都渋谷区神宮前4-12-10表参道ヒルズ 本館地下3F )
日程:2009年6月4日(木)~6月7日(日)
会場:ラフォーレミュージアム原宿
(東京都渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿6F )
日程:2009年6月10日(水)~6月14日(日)
<ナショナルツアー横浜同時開催>
会場:ブリリア ショートショート シアター
(横浜市西区みなとみらい5-3-1フィルミー2F)
日程:2009年6月10日(水)~6月14日(日)
公式サイト
★オールナイトスクリーニング
会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
(東京都港区六本木6-10-2 けやき坂コンプレックス)
日時:2009年6月5日(金)~6日(土)
公式サイト
※上映スケジュールなどの詳細は、『Short Shorts Film Festival & Asia 2009』公式サイトへ