「忘れがたい美しさをたたえた行為」(ポール・オースター/米国・作家)
「フィリップは空を舞台にするアーティストだ」(ロビン・ウィリアムス/米国・俳優)
「彼は綱渡りの全てを僕に教えてくれた」(スティング/イギリス・歌手)
「フィリップ・プティこそは、人々を夢中にさせる美しい行為で、ワールド・トレード・センターのツインタワーをつなげてみせた男だった」(ヴェルナー・ヘルツォーク/ドイツ・映画監督)
アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門をはじめ、数々の映画賞に輝き、各著名人からも絶賛された感動のドキュメンタリー『マン・オン・ワイヤー』。
1974年8月7日朝、今は無きニューヨークのワールド・トレード・センターのツインタワーを綱渡りで渡ろうとしていたフランスのある大道芸人がいた。高さ415m、地上110階という巨大な2つの建物の間にワイヤー1本を渡しその上を歩く。もちろん命綱はない。また全ての計画はゲリラ的に進められた。時は折しもニクソン大統領が辞任に追い込まれる日の2日前、雲まで届く高層ビルを綱渡りで歩き、踊った伝説の大道芸人フィリップ・プティ。
「なぜ、あんなことをしたのか?」プティが誰からも聞かれる質問だ。それに対してプティの答えはいつもこうだ。「理由なんてない」。
幼いころより周囲になじめず、5つの学校を退学させられたプティにとって、大道芸は自らの力で生きる術だった。しかも見た人を幸せな気持ちにすることもできる。いつの日か彼はリスクを抱えながらも、より高い目標への挑戦を始める。パリのノートルダム寺院、オーストラリアのハーバー・ブリッジetc。しかし、孤独だったわけではない。彼の周りには、いつも同じ目標に向かって助け合える仲間たちがいた。
仲間の1人ジャン・フランソワはこう語る。「確かに犯罪だ。でも卑劣じゃないし、むしろ夢を与えてくれる」。本作中では、当時プティを支えた仲間たち、また心ならずも裏切ってしまった仲間たちが、30年以上の時を経て登場し、当時の心境を回想する。プティ本人による回想も多く記録され、そのあたかもおとぎ話のような人生に、誰もが驚き、元気を与えられるだろう。
この「史上最も美しき犯罪」を描き、オスカー受賞を初め海外の主要映画祭で絶賛された本作をスクリーンで堪能しよう。
『マン・オン・ワイヤー』
2009年6月13日(土)より、新宿テアトルタイムズスクエア他にて全国順次ロードショー
監督:ジェームズ・マーシュ(『キング 罪の王』)
出演:フィリップ・プティ、ジャン・ルイ・ブロンデュー、アニー・アリックス、他
2008年/イギリス/95分
配給:エスパース・サロウ
※詳細は公式サイトにて