『ゴモラ』(2008年/135分/監督:マッテオ・ガッローネ)
原作者のロベルト・サヴィアーノがマフィアから命を狙われるいわくつきの衝撃作。08年カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得し、「イル・ディーヴォ」とともに、イタリア映画の次代を強く印象付けた。また、本年アメリカアカデミー賞イタリア代表にも選ばれた。
「日本におけるイタリア年」をきっかけに、2001年春に始まった『イタリア映画祭』が、4月30日~5月5日に有楽町朝日ホールにて開催される。多くの映画ファンやイタリアファンに支持され、毎年1万人を超える観客が訪れるゴールデンウィーク恒例の映画祭。今年は、2007年以降に製作された新作12本が上映される。
08年カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した『イル・ディーヴォ』、同映画祭グランプリを獲得した『ゴモラ』、そして同年サンダンス映画祭出品の『私を撮って』など、各映画祭を賑わした話題の作品を上映。その他に、プッチーニ誕生150周年記念作品の『プッチーニと娘』、名優シルヴィオ・オルランドが08年ヴェネチア国際映画祭で主演男優賞を受賞し、2010年には日本での公開が決定している『ジョヴァンナのパパ(原題)』もプレミア上映される。短編作品では唯一『ミケランジェロのまなざし』を上映。来日ゲストの舞台挨拶も予定しており、最新のイタリア映画を楽しめる豪華ラインナップとなっている。この機会に、現代のイタリア映画を堪能してみよう。
【上映作品】
『よせよせ、ジョニー』
(2007年/104分/監督:ファブリツィオ・ベンティヴォッリョ)
イタリア人俳優屈指の伊達男ベンティヴォッリョが、監督に初挑戦した音楽への憧憬と愛情に満ち溢れた秀作。
『ソネタウラ―“樹の音”の物語』
(2008年/157分/監督:サルヴァトーレ・メレウ)
前作「スリー・ステップ・ダンス」と同じく生まれ故郷のサルデーニャを舞台に選び、撮影に約7ヶ月も費やした俊英メレウの意欲作。08年ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品。
『見わたすかぎり人生』
(2008年/117分/監督:パオロ・ヴィルツィ)
「イタリア映画祭」で上映された「カテリーナ、都会へ行く」「N-私とナポレオン」のヴィルツィ監督が、女性作家自身の人生体験に基づく小説を脚色した喜劇。
『私を撮って』
(2008年/93分/監督:アンナ・ネグリ)
現代イタリアの若者たちが置かれている先が見えない実情を、悲観に陥ることなく、軽妙なタッチで映し出すのは、本作が長編2作目となる女性監督アンナ・ネグリ。08年サンダンス映画祭出品。
『イル・ディーヴォ』
(2008年/110分/監督:パオロ・ソレンティーノ)
7期に渡って首相を務める一方で、裁判にかけられ物議を醸した戦後イタリアを代表する政治家の一人、ジュリオ・アンドレオッティ元首相を題材に、イタリア政界の裏側を描くソレンティーノ渾身の一作。08年カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。
『赤い肌の大地』
(2008年/108分/監督:マルコ・ベキス)
イタリア映画祭2004」で上映された「子供たち」以来、鬼才マルコ・ベキスが久々に発表した力作。先住民が抱える問題が作品の底流にありつつ、彼らの生き方がユーモラスかつ力強く描かれる。08年ヴェネチア国際映画祭コンペ部門出品。
『パ・ラ・ダ』
(2008年/100分/監督:マルコ・ポンテコルヴォ)
心がすさんでいた子供たちが、一人の外国人との出会いによって人間性を取り戻していく実話に基づいた、ポンテコルヴォ監督の初の長編感動作。08年ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品。
『プッチーニと娘』
(2008年/84分/監督:パオロ・ベンヴェヌーティ)
1909年、トスカーナ地方で、ジャコモ・プッチーニはオペラ「西部の娘」の作曲に取り組んでいた。その矢先に、彼との浮気の容疑をかけられたメイドのドーリアが自殺する事件を、ベテラン監督ベンヴェヌーティが新解釈したプッチーニ生誕150周年記念作品。
『やればできるさ』
(2008年/111分/監督:ジュリオ・マンフレドニア)
法律によってイタリアで精神病院の全廃が進められていた1980年代のミラノ。労働組合員のネッロは、革新的な考えのために疎まれ、元精神病患者たちがいる施設に左遷される。08年ローマ映画祭招待作品。
『運命に逆らったシチリアの少女』
(2008年/110分/監督:マルコ・アメンタ)
ドキュメンタリーで高い評価を受けてきたアメンタが、実話に基づいて監督した初の劇映画。マフィアに立ち向かう少女の胸を打つ勇姿を、名撮影監督ルカ・ビガッツィのキャメラがリアルに捉える。08年ローマ映画祭都会のアリス部門出品。
『ジョヴァンナのパパ(原題)』(プレミア上映)
(2008年/104分/監督:ブーピ・アヴァーティ)
第二次世界大戦前後という激動の時代の波にあおられる父と母と娘の三人家族の人生を、名匠アヴァーティが格調高く描いた本作は、本国でヒット。父親役を好演した名優シルヴィオ・オルランドは、08年ヴェネチア国際映画祭で主演男優賞に輝いた。2010年公開予定。
『ミケランジェロのまなざし』(短編作品)
(2004年/15分/監督:ミケランジェロ・アントニオーニ)
※『プッチーニと娘』との同時上映
『イタリア映画祭2009』
2009年4月30日(木)~5月5日(火・祝)
会場:有楽町朝日ホール
(東京都千代田区有楽町2-5-1 マリオン11階)[地図を表示]
料金(全席指定):前売1回券1,400円/当日1回券1,600円
学生・60歳以上前売1回券1,300円/学生・60歳以上当日1回券1,500円
【お問合せ】03-5777-8600(ハローダイヤル:3月1日~4月29日)、03-3213-8610(会場、会期中のみ)
※詳細は公式サイトから