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格差、ひきこもり、ニート、ネットカフェ難民、ワーキング・プア、無差別殺人…。日本国内での自殺者は、その数が急増した98年以来、11年連続で3万人を超え、原因のトップはうつ病。いま、日本人の精神は傷つき、危機的状況に置かれている。
ドキュメンタリー映画『精神』は、これまでタブーとされてきた精神科にカメラを入れ、その世界を虚心坦懐に観察。現代に生きる日本人の精神のありようを克明に描いた。同時に、心に負った深い傷はどうしたら癒されるのか、正面から問いかける。
外来の精神科診療所「こらーる岡山」には、統合失調症や躁鬱病、摂食障害、パニック障害、人格障害、その他様々な神経症を患う人々が通っている。自殺したり、自殺未遂を繰り返す人もいれば、何十年も病気とつきあい、自らの哲学や信仰、芸術を深めていく人もいる。親や友人にすら病気のことを隠している人もいれば、心の病にまつわる誤解や偏見をなくそうと積極的に講演活動をしている人もいる。
しかし共通するのは、彼らが抱えている様々な心の問題や機微は、現代日本に生きる人間なら、病気の有る無しに関わらず、誰にでも身に憶えがあるであろうということ。それは健康な人にとっても、決して対岸の火事ではない。「正常」で「正気」なのは、いったい誰なのか? 観客は映画によって、自問自答の螺旋階段へと誘われ、自らの世界像の振動や変容を余儀なくされるのだ。
監督・撮影・録音・編集・製作を一手に担ったのは、自民党による選挙運動の舞台裏を赤裸々に描き、世界200カ国近くで上映・テレビ放映された『選挙』の監督で、ニューヨーク在住の映画作家・想田和弘。『選挙』に続く観察映画第2弾として、ナレーションや説明テロップ、音楽を使用しない独特の映像スタイルで、本作を完成。また、「被写体の顔にモザイクをかける手法は、患者に対する偏見やタブー視をかえって助長する」と考えた監督は、素顔で映画に出てくれる患者のみにカメラを向け、被写体を鮮烈に描くことに成功した。
08年10月、アジア最大の釜山国際映画祭でワールドプレミアされた本作は、いきなり最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。上映後の質疑応答で観客から質問や意見が噴出、終電間際まで一時間半も続き、衝撃の大きさとテーマの普遍性を印象づけた。また、12月に行われた中東最大のドバイ国際映画祭でも最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、早くも2冠を達成した。そして世界三大映画祭のひとつ、ベルリン国際映画祭フォーラム部門(09年)には、07年の『選挙』に続き、2作連続で正式招待。他にも世界中の映画祭から招待が殺到している。
『精神』の公開に先立ち、試写会で本作を観てレビューを書いて頂ける方を抽選で5名様をご招待します。応募方法は下記からどうぞ。
(※配給会社のご協力の元にこのクロスレビューの企画は成り立っていますので、当選された場合は必ず上映会に参加でき、レビューを書いてくださる方の応募をお待ちしています。また、レビューは400~600字書いていただくことが条件となります)
『精神』
2009年6月、シアター・イメージフォーラム他、全国順次ロードショー
監督・撮影・録音・編集・製作:想田和弘
出演:「こらーる岡山」のみなさん、他
2008年/アメリカ・日本/135分
配給・宣伝:アステア
公式サイト
『精神』試写会 5名様ご招待
日時:2009年4月15日(水) 13:00開映
場所:映画美学校(東京都中央区京橋)
【応募方法】
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■応募締切り:2009年4月8日(水)
※当選者の方のみ、ご応募いただいたアカウントにメッセージにてご連絡いたします。