パレスチナとイスラエルの7人の子どもを取材したドキュメンタリー『プロミス』。異なる家族、異なる社会環境で暮らす彼らが「あちら側」、将来の夢などをまっすぐに語る。
人権侵害に対する調査と独立した政策提言と、ボランティアによる市民の力に基づいて活動する国際的な人権団体アムネスティ・インターナショナルが、1月17日(土)・18日(日)の2日間、人権をテーマにした映像作品上映会『アムネスティ・フィルム・フェスティバル』をヤクルトホールで開催する。今回で2回目を迎える。
世界人権宣言が国連で採択されてから60年が経っても、地球上に戦火は絶えることなく、今も世界各地で民族浄化や移民排斥など深刻な人権侵害が起こり続けている状況のもと、世界で高く評価されている人権をテーマにした映像作品を上映し、「人間の尊厳とは、差別とは、人権とは何か、私たちには何ができるのかといったことについて考えいただきたい」(アムネスティ・フィルム・フェスティバル実行委員会)という。
また、1月17日(土)には、34年もの間死刑囚で再審無罪となった免田栄さん(映画『免田栄 獄中の生』)と、映画監督/作家の森達也さんが対談をおこなうほか、18日(日)はダイナミックで華麗なブラジルのスポーツ「カポエイラ」のパフォーマンスと、映画『ヴィットリオ広場のオーケストラ』に出てくるような多民族オーケストラの演奏もおこなわれる。
【上映作品紹介】
『免田栄 獄中の生』
(1993年/日本/88分/監督:小池征人)
「死刑台からの生還者」―免田栄さんは再審無罪となった最初の死刑囚である。23 歳で逮捕され、無罪を勝ち取るまで34 年半を獄中で生きてきた。獄中から一人の宗教者に宛てた千通の手紙を軸にした記録映画。
●1月17日(土)11:00
『にくのひと』
(2007年/日本/70分/監督:満若勇咲)
加古川食肉センターを舞台に「牛」が「肉」になるまでとその職人を描く。仕事への姿勢は他の人たちと同じでも、牛をさばく職人を差別視する人もいる。それでも彼らは世間の風潮に負ける事なく牛肉を提供し続ける。 (c)満若勇咲
●1月17日(土)13:30
『アンナへの手紙』
(2008年/スイス/83分/監督:エリック・バークラウト)
ロシア政権に批判的だったジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤはモスクワの自宅で暗殺された。アンナを追いながら、チェチェン紛争やプーチン政権下でのジャーナリストなどへの弾圧、脅迫を描く。 (c) p.s.72 productions
●1月17日(土)15:00
『刑法175条』
(1999年/米国/81分/監督:ロブ・エプステイン、ジェフリー・フリードマン)
ナチスによる迫害はユダヤ人だけでなく同性愛者にも及んでいた。ドイツの刑法175 条によって迫害を受けたゲイとレズビアンから歴史に隠された一面を聞き出していく。
作品提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭
●1月17日(土)16:45
『プロミス』
(2001年/米国/104分/監督:ジャスティーン・シャピロ、B.Z. ゴールドバーグ、カルロス・ボラド)
パレスチナ自治区、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地、エルサレム近郊に住むパレスチナとイスラエルの7人の子ども。様々な家庭環境、社会環境で暮らす彼らは、正直に「あちら側」や将来の夢についてなどを語る。
●1月17日(土)18:25
『関西公園~ Public Blue』
(2007年/日本、ドイツ/70分/監督:アンケ・ハールマン)
2006年1月30日、靭公園と大阪城公園の行政による強制排除を目前にして、支援者と抵抗運動を行なう野宿者(関西のホームレスは自らをこう呼ぶ)たちが、その想いや彼らを取り巻く情勢を語る。 (c) 関西公園~Public Blue
作品提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭
●1月18日(日)11:00
『サルバドールの朝』
(2006年/スペイン/135分/監督:マヌエル・ウエルガ)
1970 年代初頭、独裁政権末期のスペインでは自由を求める人々が権力に反発し、様々な活動を起こしていた。反体制派犯罪者としてマークされていたサルバドールは密会場所で逮捕され、やがて死刑を求刑される。 (c) Mediapro- Future Films
●1月18日(日)12:40
『ヴィットリオ広場のオーケストラ』
(2006年/イタリア/100分/監督:アゴスティーノ・フェッレンテ)
ローマのヴィットリオ広場にある劇場を救うために集まった、人種も宗教も年齢も違う人々によるオーケストラを5 年に渡って追ったドキュメンタリー。約20 人のメンバーが様々な困難を乗り越えて活動を重ねていく。 (c) Lucky Red / Pirata M.C / Bianca Film
●1月18日(日)18:00
『スタンダード・オペレーティング・プロシージャー(原題)』
(2008年/米国/115分/監督:エロール・モリス)
2003 年のアブグレイブ捕虜刑務所での米軍によるイラク人捕虜虐待事件を写真と証言で綴るドキュメンタリー。戦争がいかに人間を異常な行為へと駆り立てるかを痛烈に訴えかける。2008 年ベルリン国際映画祭銀熊賞 審
査員特別賞。
上映協力:ソニー株式会社、株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
●1月18日(日)15:10
『アムネスティ・フィルム・フェスティバル』
2009年1月17日(土)・18日(日) 受付開始10:30/開映11:00
会場:ヤクルトホール (東京都港区東新橋1-1-19 ヤクルト本社ビル)
※上映時間、トークイベントなどの詳細につきましては公式ホームページをご覧ください。