アレックス・コックス監督 (c)2008 bamboo boy
パンクムービーの鬼才アレックス・コックスとB級映画の帝王ロジャー・コーマンが放つ、痛快オフビート・コメディ『サーチャーズ2.0』の公開を記念して、アップリンクでトークイベントが開催される。1月24日(土)は「『サーチャーズ2.0』が100倍楽しめる元ネタ大放談!」と題して三留まゆみさん(イラストライター)と岩田和明さん(「映画秘宝」編集部)、1月30日(金)は「『サーチャーズ2.0』で読み解く映画業界の“裏”」と題して黒沢清さん(映画監督)とわたなべりんたろうさん(ライター)がトークを繰り広げる。
映画通から多大な支持を得ているアレックス・コックスを直撃した2009年一発目のQ&Aをご紹介!
アレックス・コックス監督Q&A
Q:クリスマスとお正月はどう過ごしましたか? 現在お住まいのオレゴンの新年はどんな感じですか?
「クリスマスも正月も家でワインを飲み酔っ払いました。パエリアを食べました。家の外では約1メートルの雪が積もり、木々を被い尽くしています。地元の消防士が道の雪かきをしてくれたので1月5日にはLAに旅立てそうです。その前にまた降らないと良いのですが!」
Q:人々はあなたを最良の意味で「パンク」な映画監督として捕らえています。来日中のインタビューを拝見しているとあなたはそう見られる事に辟易していたようですが、本当のパンク・ムーブメントが持っていた精神に衝撃を受けた『サーチャーズ2.0』サポーターの40代代表としては、その後それが形骸化した事を知っていながらもやはり誇りを持って自らを「パンク世代」と呼びたいと思います。その運動の当事者であった監督がその後も常に賢く、誠実に、情熱を持って驚くべき娯楽映画を撮り続けている事に励まされています。もし「パンク」が死んでしまった言葉ならその精神を受け継いでそれにとって代わる言葉はなにかありますか。
写真:『サーチャーズ2.0』より (c)2007 COWBOY OUTFIT, LLC PRODUCTION
「当時のパンクが持っていたカタにはまらず自分自身の芸術を創造するという考え方には敬意を表しますがもうそれは過去のものです。パンクもまたシュールレアリズムやダダイズムの様に最初はよき運動でありながら後には流行語やお高い美術品に成り果てたのです。
反資本主義で芸術、自然を大切にする<緑>の運動は今最も希望を持てる斬新な第三の道だと思います。この考え方なら犬猿の中であるパンクとヒッピーを結びつけ、1970年代の都会の裏通りからもっと大きな世界の街へ、郊外へ、山へ、海へと踏み出す事が出来ます。これは変革の為への絶好のチャンスです。…多分最後のチャンスです」
(インタビュー:バンブー・ボーイ)
『サーチャーズ2.0』
アップリンクX、吉祥寺バウスシアター、横浜シネマジャック&ベティにて絶賛公開中
監督・脚本・編集:アレックス・コックス
エグゼクティブ・プロデューサー:ロジャー・コーマン
出演:デル・ザモーラ、エド・パンシューロ、ジャクリン・ジョネット、サイ・リチャードソン、ザン・マクラ―ノン
2007年/アメリカ/96分
提供:JVCエンタテインメント 配給・宣伝:アップリンク
【公開記念トークショー開催】
★1月24日(土)21:00の回上映前
アレックス・コックス映画入門 『サーチャーズ2.0』が100倍楽しめる元ネタ大放談!
ゲスト:三留まゆみ(イラストライター/映画評論家)×岩田和明(「映画秘宝」編集部)
★1月30日(金)21:00の回上映終了後
『サーチャーズ2.0』で読み解く映画業界の「裏」
ゲスト:黒沢清(映画監督)×わたなべりんたろう(ライター 「ホットファズ」公開署名運動主催)