『チェ 28歳の革命』より
困難への挑戦 ~1本から2本へ~
「ベニチオ(・デル・トロ)と私がチェ・ゲバラの映画化に興味を持ったのは『トラフィック』よりも以前のことなの。没後40年以上経った今でも、チェ・ゲバラが非常に影響力のあるアイコンとして生き続けている理由は多数あるわ。彼は青年たちにとっての反逆と理想の象徴であって、その2つは永遠に不変的なものだから」と、プロデューサーのローラ・ビックフォードは語る。
写真:『チェ 28歳の革命』
チェ・ゲバラを映画化するにあたりビックフォードは、様々な立場の人々の話を聞き、3年間に及ぶ詳細なリサーチを行った。その結果、チェ・ゲバラの劇的な人生をすべて網羅することは不可能であり、一般的にあまり知られていないボリビアでの革命運動期を描く『チェ 39歳 別れの手紙』を製作するという結論に達した。ビックフォードは語る。 「チェ・ゲバラの人生の一部に焦点を当て、その一部を徹底的にリアルに描こうとしたのよ。でも、脚本作りを始めようとすると、『チェ 39歳 別れの手紙』だけでは、なぜ彼がボリビアに行く決意をしたのか観客は理解しづらいと思った。だからキューバ革命とニューヨークでの国連演説の場面を追加し、構成を再構築し始めたら、結果どんどん大きくなってしまったの。映画を2本撮らなければならないと気づいたのはその時よ」
“生き残れた者たち”の大いなる助言
「チェ・ゲバラを演じることは、僕が参加した過去のどの映画とも違うものだった」と、プロデューサー兼主演のベニチオ・デル・トロは語る。「まずは、彼の著作を読みまくった。その後、他の人が彼について書いた書籍も読み、結果7年間もリサーチをすることになったよ。最終的には、やはり彼自身が何を記したかということが一番参考になったけどね。キューバ、ボリビア、パリ、マイアミ……話をしてくれる人がいれば、どこへでも駆けつけた。キューバ革命についての映画を作る中で最もエキサイティングなことは、関わった人たちが今でも多く生存していることだ。フランス革命やメキシコ革命についての映画を作るとしても、生きている人はもういない。大量の写真や書類も残っていたしね」
写真:『チェ 39歳 別れの手紙』
キューバ革命時にチェ・ゲバラと出会い、彼と共にボリビアで戦い、今でも健在な人物が3人いる。ポンボ、ウルバノ、ベニグノの3人で、彼らは皆、本作への出演を快諾した。ポンボとウルバノはキューバとボリビアの経験を語り、ウルバノはスペインでアドバイザーも務めた。デル・トロは語る。「その3人それぞれの映画ができるくらい数々の逸話を聞かせてもらったよ。彼らの言葉は、チェ・ゲバラを身近で見知った人にしか表せない力強さを持っていて、この映画や俳優たちに、とても具体的な戦術の情報を提供し、そしてすべてのスタッフに絶大なエネルギーを与えてくれた」
2009年1月10日(土)より『チェ 28歳の革命』、1月31日(土)より『チェ 39歳 別れの手紙』日劇PLEXほか全国連続ロードショー
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
脚本:ピーター・バックマン
『チェ 28歳の革命』
出演:ベニチオ・デル・トロ、デミアン・ビチル、サンティアゴ・カブレラ、エルビラ・ミンゲス、他
2008年/スペイン・フランス・アメリカ/132分
『チェ 39歳 別れの手紙』
出演:ベニチオ・デル・トロ、カルロス・バルデム、デミアン・ビチルアキム、マット・デイモン(友情出演)、他
2008年/スペイン・フランス・アメリカ/132分
提供:日活、博報堂DYメディアパートナーズ、ティー・ベーシック
共同配給:ギャガ・コミュニケーションズ×日活
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