骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2008-12-14 15:00


こんなに後味の悪い映画は知らない!『ファニーゲームU.S.A.』クロスレビュー

巨匠ミヒャエル・ハネケの名を世界中に轟かせた伝説の傑作『ファニーゲーム』(97)を、自身によって完全リメイク!
こんなに後味の悪い映画は知らない!『ファニーゲームU.S.A.』クロスレビュー
(c)2007 Celluloid Dreams Productions – Halcyon Pictures – Tartan Films –X Filme International
ファニーゲームU.S.A

別荘に侵入し、「ゲーム」と称して罪もない家族を監禁、神経をきりきりと締め上げるような不快感を押しつける2人の美青年。予測不可能な展開に、観客はゲームの犠牲者になったかの様な錯覚に陥る。映画史を覆す手法で完膚なきまでの悪夢をより鮮烈に再現した、この新感覚SSS(サディスティック・ショッキング・サスペンス)ムービーは、観るものすべてを絶対的なゲームへと巻き込み、不条理な暴力の恐怖を叩きつける。
監督は、01年『ピアニスト』でカンヌ映画祭審査委員特別賞、04年『隠された記憶』でカンヌ映画祭監督賞を受賞した世界的巨匠ミヒャエル・ハネケ。


【コメント】

・北村信彦(HYSTERIC GLAMOUR)

冒頭の15分で、あなたも被害者になります。ストーリーの行方は、想像したくない方向に向かいます。緻密に計算された脚本、演技、映像。映画本来のあるべき姿をこの“最悪なシナリオ”の作品で痛感させられました。ショックです。

・中村うさぎ(作家・エッセイスト)

白い手袋をはめて一方的な殺人ゲームを繰り広げる、不気味な二人組。彼らはいったい何者なのだ?その答えは、映画の終盤で、掟破りとも言える驚愕のシーンとともに明らかになる。彼らは、「我々自身」なのだ!これ以上ないほど後味の悪い史上最凶のホラーサスペンスを、あなたはどう評価するだろうか?

・宇川直宏(京都造形芸術大学教授)

匿名的なコミュニケーションと疑似共同体が蔓延する現代…。“暴力”は、太陽系を脅迫する勢いで至る所にのさばっている!!!!!この映画に描かれたバイオレンスとは、例えばサイパースペースに殴り書かれた『ナオミワッツ氏ね!!!!!』の文字列と同義の、コンビニエンスな憎悪なのだ!!!!!!!だから絶対氏なないで!ナオミワッツ!!!!!!!!


『ファニーゲームU.S.A.』
2008年12月20日(土)よりシネマライズにてロードショー(全国順次)

監督:ミヒャエル・ハネケ(『ピアニスト』『隠された記憶』)
出演:ナオミ・ワッツ、ティム・ロス、マイケル・ピット、ブラディ・コーベット、デヴォン・ギアハート
2007年/アメリカ、イギリス、フランス、オーストリア、ドイツ/111分
配給:東京テアトル

『ファニーゲームU.S.A.』公式サイト


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