2013-05-23

「神さまなんていないよ。ってゆうか、あたしが神さまだし」:『タリウム少女の毒殺日記』クロスレビュー このエントリーを含むはてなブックマーク 

「観察するぞ、観察するぞ、観察するぞ」
冒頭の主人公・タリウム少女のつぶやきは、
どっかで聞いたことがあるような…。
ああ、
「修行するぞ、修行するぞ、修行するぞ」
オウムの麻原テープだ。

(もう20年近く前に地下鉄サリン事件を引き起こしたオウム真理教。
その信者たちが修行の際に聞いたのが、
教祖・麻原彰晃の「修行するぞ…」という声が入った録音テープです。)

冒頭のつぶやきの続きは
「観察して、観察して、本当の傍観者になる」
そしてその声にかぶる映像は、
PCのモニターから、モニターを見るタリウム少女、
その少女の住むマンションへと切り替わり、
さらに早回しでスケールを上げ、地球を俯瞰する。

この地球を俯瞰する視線は誰のもの?
カルト宗教のエピソードをパロディとしてちらつかされれば、
それはもう「神さま」です。

そうか、彼女は神さまになりたいんだ!

美容整形、肉体改造、生物解剖、遺伝子操作…。
生命プログラムを人為的に改竄しまくる、
創造主・タリウム少女のハイパー・カスタムメイドな新世界。

どギツいイジメにも達観と慈悲の心で
自らを客観視する優しい神さま。

「監視するのはあたしだけで十分」とばかりに、
小学生のランドセルについた発信器を踏みつぶす怒りの神さま。

世界を創造し終えた神さまは、自らのかわいいクリーチャーとともに
輝きながら闇のなかを疾走する——。
チャリで。

・・・・・・

こう観てみると、タリウム少女に共感する女の子が
存在するというのもありな気がする。

それにしても、この映画の魅力はなんといっても「倉持由香」。
あの目力、まさに神がかってます。
もっちーに惹かれる方はぜひ。
特に「制服女子高生ダンス」は必見ですよ。

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