監督ジェイソン・コーンとビル・ジャージーはイームズ夫妻の生き方をたどって、1950年代モダニズムとは何だったかと問いかける。
主に、イームズ夫妻の元従業員、取引先、知り合い、友人などへのインタビューと、イームズ夫妻の作った映像で構成されたドキュメンタリーで、イームズ夫妻が成した家具などのデザインワークだけでなく、私生活にも迫った内容だ。
イームズってモダンなデザインの椅子という位の印象しか持っていなかったが、そのデザインに至るまでの道のりを知ると、なぜその形なのか、そうあるべきなのか、納得する。
この映画はデザインの意味するもの、どうあるべきか、好みとは何かを観客に投げかける。
チャールズ&レイ・イームズの生き方をたどるドキュメンタリーであるが、「デザインする」ことは生き方なんだと納得する。
戦後モダニズムの旗手として、何でも好みのデザインを作り上げてしまい、それぞれが時代に注目されたのは、2人の黄金パートナーシップがあったからこそ。仕事の信頼関係と私生活の男女関係にまで触れる。背景となる国際関係や政治への影響力にも言及し、時代そのものを感じることができる。
2人の生き方は、数々のデザイン(家、インテリア、エクステリア、家具)に終わらず、映画、ゲームなどまでその範囲が広がっていった。
イームズ夫妻のモダンなデザインの住まいには驚嘆した。
建築家と画家夫妻のモダンな設計の家とその住まい方は、さすがデザイン=生き方を具現したものだ。
イームズ財団がこの家を維持し、カリフォルニアに行けば訪問できるそうだ。
現在にも通じるすてきな住まい。ぜひ、一度現地に行って見てみたいと思う。
ジェームズ・フランコの抑えたナレーションは耳に心地良かった。