2013-02-06

『故郷よ』クロスレビュー:原発にこれ以上故郷を潰させてはいけない このエントリーを含むはてなブックマーク 

羨ましい程のどかで美しい天国のような光景のウクライナの地が何故一夜にして地獄図絵の地に転落しなければならなかったのか。この映画を観ていると、尊い人命や掛替えのない故郷という視点からその犠牲になった人々とその犠牲を強いた人々の両者の存在が気になって仕方がない。何の幸せの為に、また、誰の幸せの為に後者は原発施設を考え、運営している(いた)のだろうか。イデオロギーの違いこそあれ、チェルノブイリと福島の原発事故に於けるこの両者の存在は確然としている。レーニンの銅像が画面にも登場するが、それは全国に電力をという彼の考えが元で、チェルノブイリ原発は建設されたとミハル・ボガニム監督は述べており、日本では中曽根元首相の導入意向が元で福島原発が設置されたと言われていて、これら原点が無かりせばの感を深めてしまう。犠牲を強いられた人々の事故後の健気な生き様を本映画は脚色しているが、事故前のあのこの上も無く素晴らしい天国のようであった故郷は戻って来てはいない。原発にこれ以上故郷を潰させてはいけない。

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新宿の松爺い

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“限りなき前進”