たまたま放送時に見て、以来はまってのめり込んでしまったドラマ「鈴木先生」。
視聴率がとっても低いと聞き、途中で放送打ち切りになったら大変!と、知り合いに会うごとに「面白いから見て!」とは言ってはいたけれど、その面白さを人に伝えるのはとても難しくて。
なぜなら、鈴木先生の面白さは「熟考すること」によるものだから。
見る度に心になにかしらのもやもやが残り、そのもやもやについて考えて考えて、自分なりの答えを出す。
思考すること、そのものが面白いのだということに気づかされました。
もっと早く、若いころに鈴木先生と出会っていたら哲学者になれたかも。
そんな、私にとって師のような存在の鈴木先生、念願の映画化!
一足先に見せていただきました。
ドラマは10話で終了ですが、続編11話という形で始まります。オープニングもドラマと同じメガネリレー。2-Aの生徒全員の顔が映ります。
夏休み後の2学期、文化祭準備や生徒会選挙で浮足立つ緋桜山中学が舞台です。
足子先生がものすごい能力を身につけて復帰。
選挙をめぐっての生徒たちの不穏な動き。
そして学校内への異分子の侵入・・・
生徒たちの危機に、鈴木先生、どうする?どうなる?
生徒たちはドラマ最終話、怒涛の鈴木裁判を経て思考も結束も深くなって、まるで生徒役の子たち自身の成長を見るようでうれしい。
鈴木先生は映画でも悩み、考え、そしてまたまたあぶない妄想が復活。
卒業生役風間俊介君の狂気にも圧倒されます。
ドラマ未見の方にもわかるよう人物の説明があり、笑いあり、スリルあり、アクション(?)あり。エンターテインメントとして十分楽しめる作品になっています。
その中にも、正論や常識を振りかざすことの怖さや、真面目に生きていた人が些細なきっかけで壊れてしまうこと、そしてそれは誰にでもあり得ることと描かれ、またまた考えさせられます。
映画を見るときっとドラマも見たくなる。
そして考えて考えて考えて。
ぜひ自分なりの答えを見つけ、鈴木学級のひとりになってください。