2012-09-19

『これは映画ではない』クロスレビュー:記録?映画? このエントリーを含むはてなブックマーク 

映画ってなんだろう、記録ってなんだろう。
観ている間中、その思いが頭の中を巡っていた。

ある祭りの1日を舞台とした、一人の男の生活を、淡々と撮影し続ける記録であり、長回しで撮っている物語でもあった。
人が「生活する中で演じている」役柄は、日々の人同士の絡みには必要不可欠で、この絡み合いこそが現実という物語を紡ぐものだ。しかし、今回のドキュメンタリー?は、見ているうちに、監督、友人、ごみ収集の青年、同じマンションに住む女性、すべての人々が、「物語の中で作られた」役柄のように思えてしまい、パナヒ監督の日常を切り取ってみているというよりも、そのものが作られた物語のようにも見えてしまった。
それは、パナヒ監督が考える映画とは、ひとつの「作り上げた物語」を通して、監督、役者、といった人たちが化学反応を起こしながら紡がれるものであるということが、そして今、彼が奪われている「映画」という媒体を使った表現を渇望していることを端々から受け取ったからだろうか。

やはり、これはセンスのいい記録ではあるが、映画ではない。

キーワード:


コメント(0)


ukopade

ゲストブロガー

ukopade


月別アーカイブ