2008-04-28

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ノイズ・テロリスト
マーク・スチュワートの新作・
盟友Adrian Sherwoodと組んだ
通算6作目となるスタジオアルバム
「エディット」
は今やMBMの新作と並びヘヴィローテーションである。

01. INTRO
02. RISE AGAIN
03. LONER
04. THE PUPPET MASTER
05. STRANGE CARGO
06. SECRET SUBURBIA
07. ALMOST HUMAN
08. FREAK CIRCUS
09. MR. YOU'RE A BETTER MAN THAN I (Feat. Ali Up)
10. RADIO FREEDOM
11. SECRET OUTRO

個人的に大好きなファースト、セカンド
・臆病者と20倍楽しむ方法 "Learning to Cope with Cowardice('83)"
・剥がれゆく虚飾 "As the Veneer of Democracy Starts to Fade" ('85)"
などに比べれば随分メロディアスで
整合性が取られているが
それが売れ線だの歌物だのキッチュだの
そういう負のイメージに繋がるものでは一切ない。

これはマークの最高傑作。
ポップグループという今もなお色褪せず
影響力を持ち続けるバンドを経てソロに転じ、
50歳を迎えようとする人のアルバムというのは多くの場合
新作が聴けるだけで嬉しや、
てなくらいの寛容な気持ちで聴く。
いわば、クラスター、クラフトワークなんかの
オリジネーターを賞賛する感覚に近かったりするが
マークのアルバムは
!!!やTV ON THE RADIO
の新作を聴くのと同じスタンスで構えられる。
底知れぬ凶暴性を持つジム・フィータスやマーク・スチュワート
は別格なのであろう。

個人的には当然ポップグループはリアルタイムではないし
肥大するカリスマ性みたいなのがあまり好きではないが
マークのソロとなると話は違う。
アリアップの
「パンクといえばジョニーロットンがイメージされるんだろうけど
彼よりマークのほうがパンクな存在よ。
マークが一番パンクスピリットを継承し続けているのだと思う」
という言葉が物語っている通り
現在もパンクスピリットが宿っている。

破壊衝動主義のような
クラッシュやストラングラーズやダムドより
ブリクサのノイバウテンやDAFのほうがパンクだと思うのは
やはり自分が遡ってパンクに触れたからかもしれない。

「ヴォーカルがメロディアスになったという人もいる。
ここ何作はダーディーな感じにしていたからね。
ポップグループの頃を振り返るとメロディアスだったと思うんだ。
俺は自分のスタイルを自分が何を伝えたいかによって変えているのだと思う。
大事なことは歌詞の中での皮肉なんだ」

'05年に発表されたベスト盤「Kiss the future」に
収録された新曲Radio Freedom、The Puppet Masterも収録され
後者は更にインダストリアルサウンド色を増している。
時にはPrefure73を初めて聴いたときのようなヒップホップと
巧妙なカットアップが聴かれ、
全体を通し混沌としたミクスチャーサウンドが取り巻く。

彼を賞賛するミニストリーやナイン・インチ・ネイルズの
所謂インダストリアルは「聴かない」と言いながらも
他のジャンルから影響を受けたと言われるのは嬉しいと言い、
10代のトリッキーとの親交をはじめ
新作は若手アーティストの起用が顕著。
持ち前の風通しの良さと
独自のブレない音楽性、
黒っぽい音やファンクなギター、ラップ、ノイズ、
カットアップ/コラージュ、ダヴ、ディスコ、ニューレイヴ、etc...
何でもありのゴッタ煮のサウンドが
マークの凶暴性と相まって凄まじい破壊力を備えている。

スリッツのアリアップとヤードヴァーズのカバー。
前作のコントロールデータ(B12、ブラックドッグなどのAIに影響を受けた)
をビルドアップさせたような
ディスコサウンドの⑧、
PVも作られストレートなLoner、
次から次へと頭から離れない曲が飛び出す。
女性シンガーと歌うSECRET SUBURBIAも
マッシブと並ぶブリストルサウンドと
言えそうだけど
マークの声が入ると一気にマークの世界に引き寄せられる。
狙ってなのか
天然なのか不明な
あのぶっ飛んだ調子っぱずれのボーカルが凄い。
どこを切ろうがマーク印。

現在はナイン・インチ・ネイルズやブリストルの大物と
新しいことをやっているそうな。

それが今年中なのか5年後になるのか
全く不明だけど13年振りの新作は
大いに楽しませてもらった。
13年待った甲斐があったというものです。

Mark Stewart - Loner


Adam Sky vs Mark Stewart - We are all Prostitutes (Crookers)


The Pop Group / She's beyond Good and Evil



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悪澤【WARSZAWA】

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悪澤【WARSZAWA】

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