2012-07-29

ギリシャの国家を反映?『籠の中の乙女』クロスレビュー このエントリーを含むはてなブックマーク 

見たままで感想を述べると、よくわからない作品です。裏を読とろうとすると、ギリシャの国家なのでしょうか?国民は閉ざされた世界の中で、四面楚歌、経済破綻の只中にある。食料、そして国民の生活の中での快楽(余裕)は国外からの物資に頼らなければならない、その、極めて少ない情報のなかから、自分たちの置かれている立場を理解しようとする、意を決して外の世界を肌で感じようとすると、破滅するしかないのだろうか、境界線の上に立って、犬のように吠えていろ、と国家は教えているのですか?
マウスウオッシュにラベルが無い、なぜだろう?初めの疑問である。その回答は後で描かれる。父親は外で購入したものは、ラベルを全部はがしてから家の中に持ち込んでいる。国家は輸入物資がどこからのものかわからないように国民に与えているということなのだろう。残酷なシーンもかなりある、猫を殺すシーン、兄の手を切り裂くシーン、赤い血が飛び散る。原題の「ドッグトゥース(犬歯)」もひとつのキーポイントになっている、犬歯が抜け落ちた時、外界に出ることができるという暗示、長女は(何故外界に出たいと思ったのか)説明がないなか、犬歯を叩き折、外界への道を進む。彼女が潜り込んだベンツのトランク、其処は何を意味する空間なのか、カメラはそのトランクをしばらく凝視したまま、突然終わり、エンドロールに変わる、おそらく彼女はそのトランクから生きては出てこないだろう。

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益子信行

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