2012-07-22

どくんご『太陽がいっぱい』(2012.7.3.tue@井の頭公園) このエントリーを含むはてなブックマーク 

パフォーミングアーツは苦手ながら、佐々木敦さんも評を書かれているということ、以前どくんごの役者さんがバイト先にいたというささやかな縁(彼は今はどくんごにいないらしいが)、たまたま、いっしょに見に行ってくれる人が見つかったということで、なんの素養も予備知識もなく、平日夜に小雨の中井の頭公園のほとんどジブリ美術館近く、西園テニスコート前特設”犬小屋”テント劇場に向かった。

テント芝居は、地元の神社に唐十郎の赤テントを見たことがあるだけで、二度目。
犬小屋と名付けられた理由は一目見てわかった。小さめの小屋。
小さいながら段をつけてみんなが見やすくしてあるテント内、お客さんは満員。学生かと思うくらい若い人がほとんど。みんなクールなおしゃれな感じ。役者をやってる人は熱く人間らしいイメージがあるので、この客層はなんなんだろう?そもそもわたしのイメージが間違っているのかもしれないけど。

演劇ってたまにしか見なくて、いつも現代演劇なせいかもしれないけど見るたびに形式が奇想天外なので、これもまた、見たことのない形式だった。オムニバスのようになっていて、数人の役者それぞれのキャラは変わらないんだけど、それぞれが主役になったり数人でやったり、小芝居がたくさん続く。小芝居同士は、関連性はない。

素養がないのであんまり書けないけど、印象に残ったことは三点。

1)繰り返されるフレーズ
関連性はないものの最初から最後まで「暑くもなく寒くもなく、あたたかい。」で始まる同じフレーズを繰り返していたこと。2極化してものを考えがちだけど、複雑にバランスをとってはじめて気持ちの良い現実があり得るのではないか、ってことかなと思った。

2)道具と役者が隠されていない
小芝居に使われる幕や小道具が、隠すこともできるだろうに全部見えるところにあって、そこから必要なものを引っ張りだして、その小芝居をしない役者が幕をひいたり音楽のスイッチを押したりと黒子の役割をする。準備もしない出演もしない小芝居でも役者は見えないところに引いたりせずに、端に座って、小芝居を見ている。

3)多様性に焦点
テント芝居ではおなじみの手法なのであろう、幕をとって背景の現実を芝居の中に組み込む場面で、みんながばらばらのことをしていて、どこにも焦点があたっていないという場面があった。「暑くもなく寒くもなく」と通じる、多様性とそのバランスを現しているのかなと思った。

4番目くらいに気になったのは、その中のひとつの小芝居で明らかに即興と思われる箇所があって、すごいなと思ったと同時に、どこからどこまでが即興なのかがすごく気になったこと。
(たまたま役者が履いてるサンダルの鼻緒が切れてしまって、それをリアルタイムでセリフのように言ってたので)

この日は佐々木敦さんも見にいらしていて、あとでツイッターで絶賛してた。(佐々木さんが絶賛するのは、よくあることではあるけれども)。わたしは、けっこう、ぽかーん、何を表現したかったのかよくわかんないな?やっぱり演劇とかって苦手かも。。。という感想だったので、やっぱりわたしは分かってないなと思ったのでした。

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