2012-06-13

『いわさきちひろ~27歳の旅立ち~』クロスレヴュー:かわいくて優しくて、かなり強い このエントリーを含むはてなブックマーク 

いわさきちひろについては、ふわっとした水彩で子どもの絵を描く人くらいの認識しかなかった。
だが、この映画のキャッチフレーズ、“バツイチ、家なし、職もなし”を見て俄然興味を持った。
あのふわっとした絵からは想像出来ない言葉だったからだ。

どんな人にもいろんな過去があるものだ。
世間で成功者と言われる人は往々にして過酷な運命を背負い、人知れず努力していたりする。
いわさきちひろもまた、過酷な運命を背負いつつも只ならぬ努力をした人だった。
最初の夫を不幸な形で亡くし、家、職、何もないところから、皆が知っているあの絵を描くいわさきちひろに至るまでの過程が、この映画で知ることが出来る。
かわいらしい絵や本人の写真から想像も出来ないほど、自立した芯の強い女性だったことが良くわかる。
良く見ると、ちひろの描くあのかわいらしい子どもたちにも強さを感じる。

絵を描いた人の背景を知ってしまうと、絵の見方が変わってしまうことがある。
良いのか悪いのかわからないが、私はこの映画をみていわさきちひろの絵の見方が変わってしまった。
今まであまり興味がなかったちひろの絵本が読みたくなった。
『戦火のなかの子どもたち』は必ず読もうと思う。

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鎌草

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