私は躁鬱病患者です。
まぁ、読者さんには関係無い事だろうけれども。
何が言いたいかと言うと、私が躁転した時(躁状態になった時、気分はハイテンション)は買い物三昧の生活に陥ると言うこと。
この映画は何も持ち得ず(厳密的な言い方ではないが)人は暮らせるのかという面白さ。
これに尽きると思う。
私には無理だろうけれども。
その分、坂口氏のアイデアには憧れと畏怖の念が頭をよぎるのです。
多摩川のロビンソンに手はずを受けて、作業が段々と上手くなっていく坂口氏。
段々と形になっていくモバイルハウス。
ふとした瞬間に声を潜めた笑いが巻き起こる会場。
しかし、このドキュメンタリーの弱点は、観る方が追体験していると思わせてしまうこと。
本当のモバイルハウスの制作にはとても苦労が伴ったのではないのかと。
土と汗と木の匂いが観客に伝わらず、洗練され過ぎていたのではないでしょうか。
ドキュメンタリーの限界と言ったらそうかも知れませんが、私にとって残念でなりません。
今の建築界とかけ離れた建築手法を模索する坂口氏。
文明から離脱する事が彼の答えでした。
しかし本当にそうでしょうか?
象徴的なのは何も持たない事を目指す坂口氏がスマートフォンでピザを頼むシーンでしょう。
この行為自体が全て現在の文明の利器でしか在り得ないのですから。
今は放射能から避難して熊本に住んでいる坂口氏。
役所も彼のアイデアに動いているそうですから、地産地消を目指して前に進んでいただきたいと思います。
後付ですが、映画自体は大層面白かったですよ。
見ても損はなし。
しかし、ユーロスペースのレイトショーだからなぁ・・・。
- TOP
- ZIG-ZAGの日記
- 詳細