これは一体コメディなのか、サスペンスなのか、ホラーなのか。
大学生のゆるい日常生活に徐々に不穏な影が忍び寄り、やがてとんでもない状況に陥るのだが、登場人物が交わす会話はどこかズレていて、終始オフビートなおかしみにうっすらと包まれている。オーディションによって選ばれた役者たちも一見地味、でもあっこの人なんか変!という不安を抱かせる絶妙のルックス揃い。
繰り返される突然の死と登場人物たちの脱臼した会話。その緊張と緩和が生み出すグルーブが、先行き不明の物語の進行に合わせどんどん加速していく。劇中鳴り響くバスドラの四つ打ちのようにその勢いは力強く弛むことなく。我々は煙にまかれたまま物語に引きずられて行き、圧倒的なエンディングの情景の前に放り出される。
一瞬ポカーン、その後ジワジワ。一筋縄ではいかない謎のパワーを持った映画。快作?怪作?