先週末からまた昼夜逆転気味になってしまい、毎月やっているアフリカのHIV/エイズに関する英文記事要約の締切だった月曜と翌火曜は一歩も外出せず。
今日は朝からいつもの下高井戸シネマに映画を観に行って来ました。いつも通り行きも帰りもウォーキング。で、その途中に郵便局で仕事関係の書類や領収書を出したり、コンビニで通販で買ったウコン錠剤の支払いをしたり、ドラッグストアで安売りしていたトイレットペーパーを買ったり、自然食品店で豆腐や葱を買ったり…。
風は冷たいのですが、日差しは春で、日中は暑からず寒からず、ちょうど気持ちのよい陽気でした。方々の民家の庭先で咲いている梅花の香りも堪能出来ました。
観たのは『森崎書店の日々』(監督・脚本:日向朝子、原作:八木沢里志、出演:菊池亜希子、内藤剛志、田中麗奈他、2010年)。
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一年半も付き合っていた同僚に、突然「本命」との結婚を告げられたショックから立ち直れずに、会社を辞め日々呆然と過ごしていた二十代半ばの女性が、不思議なほどに彼女のことを気にかけてくれる叔父の配慮で、彼の経営する神保町の小さな古書店の二階に住んで店を手伝うことになる。穏やかだが一風変わった叔父や癖のある店の常連、近くの喫茶店でバイトする大学院生との触れ合いの中で、彼女は本を読むことの悦びを初めて知り、神保町の古書店街の魅力に開眼し、終には不実な恋人との過去を清算し、自分というものを意識的に作り上げていこうと決意するに至る。
研究者として、付箋をつけたりメモを取りながら、自分の興味関心に呼応するエッセンスを掴み取るという読み方を続けるうちに、いつの間にか忘れてしまっていた、初めて本を自分で買って読み出した頃、あるいは大学に入った当初持っていた、読書を通して開かれる(であろう)別世界への熱い期待感を、まざまざと想い起こさせられた。或る時期までは僕自身にとっても本は、発見の喜びと驚きの源泉であり、逃避の場であったのだ。
他方でこれはどうかと感じたのは、古書店主や本好きの人びとの描き方がかなり類型的、ハッキリ言えば陳腐なこと。また主人公の女性の人となりが、年齢を考慮しても、あまりにも幼く薄っぺらなため、共感したり感情移入したりするのが困難なこと。また不実な元恋人との過去を、自分の身体の「汚点」や「傷」のように感じてむせび泣く主人公の発想のベースにある、父権主義的な歪んだ女性観も気になった。彼女をモノのように切り捨てた相手の男性への怒りは、至極尤もなものだけれども。
ついでに言えば、作品にもっと「深み」と言うか「奥行き」を与えるために、作中では暗示されるだけの、家出した妻との関係など、内藤剛志演じる叔父さんが抱える、「闇」にもスポットを当てるべきだったのではないか。
あとは余談ですが、なっちゃんとか言うジュースのCMに出ていた頃の、子ども子どもしたイメージしかないので、田中麗奈の変わりっぷりには驚きました。それと、内藤剛志のメタボな腹回りにもビックリ…痩せましょう(笑)。
今晩からフェミニスト心理学についての報告原稿の執筆に取りかかります。時間的に余裕がないので、実はちょっと焦ってます。