映画は彼女が愛した自然豊かな別荘が舞台です。
彼女の言葉をインタビュー形式で女優のカイウラニ・リーによって演じ綴られています。
自然と息子、著書や騒動について、レイチェル・カーソンの思いを言葉にして静かに語りかける様はレイチェルそのものに感じました。
静かな口調なのですが、その内なるメッセージの熱さをひしひしと感じます。
言葉を聴くというより、彼女の思いを感じる映画です。
女性で環境保護の活動家というと、少しヒステリックなイメージを抱きかねませんが、彼女が主張した事は至極真っ当な事に思いました。
自然を愛する気持ち。
自分が無くなった後も息子をはじめ子々孫々に到るまで安心して住める地球であることを望むのは「母」が子を心配する自然な感情からきたように感じます。
何の後ろ盾もなく肩書きも無い彼女が、権力やお金や力を持つ企業からの攻撃に立ち向かうのはとてつもない心労を伴ったのだと感じました。
けれども、その攻撃が逆に彼女の著書に目を向けさせ、ベストセラーにもなったのは皮肉ですね。
彼女が問題提起した農薬DDT使用については禁止されましたが、その是非については諸説あるようです。
どちらがどうというのではありませんが、有害であることとそれの利用・処理の仕方、環境問題についての提起は人が自然や環境に向き合うきっかけになった事は確かです。
便利な世の中を否定するものではありませんし、その恩恵を受けているので全くプリミティブな環境というのは難しいのかもですが。
子孫のためにも、環境について実行できる事はたとえどんな小さな事でも意識しなければと改めて感じました。
ちょっと違いますがエリン・ブロコビッチを思い出しました。
普段の生活で考える事を忘れがちなので、こういう映画を観てみるのも良いかなと。
約1時間、彼女からのメッセージを確かに受け取りました。