さて、先日、タイ映画『Love of Siam』のお話をしましたが、
今日もその関連で、タイのゲイ映画について。
というのも、2007年は本当にゲイ映画の当たり年でした。
私は、これを勝手に、「ブロークバック・マウンテン効果」と呼んでいます。
『Love of Siam』がタイのアカデミー賞であるSubhanahongsa Awardsで作品賞や監督賞を含む3部門を受賞したのは先日書いたとおりですが、
それに次ぐ作品が、この『Bangkok Love Story』(เพื่อน...กูรักมึงว่ะ) なのです。
タイ語を直訳すると『友よ・・・オレはオマエを愛してる』(仮)みたいな感じでしょうか。
かなりハードなゲイ映画です。
(もちろんポルノではないです!)
そして、この作品、脚本賞、撮影賞と音楽賞を受賞し、
実質、『Love of Siam』に次ぐ、2007年タイ映画界の優秀作品なのです。
Best Screenplay (Poj Arnon監督)
Best Cinematography (Tiwa Moeithaisong)
Best Sound(Wachai Rawongsarut)
半裸の男性らがジーパンの中に手を突っ込んでるこのポスターがMBKと呼ばれるバンコクの中心にある巨大ショッピングセンターの外に堂々と張られたとき
(つまり建物6~7階分くらいの大きさのもの、渋谷交差点の広告みたいなものと想像してください)、
さすがタイ!と、うなってしまいました。
実際にポスターのシーン、映画にでてこないんですが(笑)。
※でもそれに準じるものはあるので、期待してる方はガッカリしないように。ただ、ヨーロッパ映画みたいな激しさは求めないでください。
Best Cinematographyを受賞しているように、ミュージックビデオ並みにスタイリッシュに撮っているのが特徴的な作品です。
タイトル通り、バンコクを舞台にした作品なのですが、いつものバンコクが色眼鏡を通して、映ってます。
物語はかなり典型的なメロドラマで、
それこそ少女漫画かなにかを原作にしてるんじゃないかと思わせるほど、メロメロです。
だって殺し屋(男)とそのターゲット(男)が恋に落ちちゃうんですよ!
観てるほうが恥ずかしくなっちゃうようなセリフが飛び出してきたりしちゃうんですよ!!
でも、脚本賞受賞ですよ!!!
そして、音楽もそんなメロメロを助長してくれるようなものだったと記憶してます。
超正統派のメロドラマ。
タイの方はやはりメロドラマが大好きなんだと思います。
テレビドラマなんかをみても、お約束的な作品がたくさんあります。
もちろん、
「男×男」のメロドラマというのは、タイでも初めてじゃないですかね。
まさにAmazing Thailand
(タイ観光庁のキャッチ・フレーズ)
このかなり衝撃的なポスターを含めたマーケティングはかなり功を奏したといえるでしょう。
特に物語の前半は、主人公のイケメン2人の上半身裸と下着姿というサービスショットがたっぷりなので、ゲイオーディエンスだけでなく、女性にもアピールできたのかもしれません。
(興行成績については知らないのですが・・・)
ちなみに、この作品、The 34th Brussels International Independent Film Festival でグランプリを取ってて、結構あなどれません。
世界中のLGBT関連映画祭での上映が今後、見込まれるでしょう。