2010-09-14

『エル・トポ』クロスレビュー:キャラを変えるしかなかった大人たち。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

当方、27、8ぐらいの時に頭髪が薄くなってきましてー、若かりし頃、禿げたらソッコー坊主にするって思ってたなーと迷うことなく坊主にしました。それからほどなく彼女に振られました。大失恋に傷つき、シャワー浴びながら泣いたりしました。仕事も上手くいかず、会社にふた月ほど泊まり込み、週に2回だけ風呂入りに家に帰りました。

フッサフサで根拠のない自信に満ちあふれていた時代が過ぎ去り、「ハゲハゲ」とからかわれてヘラヘラする道化の時代へ。大沢たかおに似てると言われた時代から荒川良々に似てると言われる時代へ。そんなときに出会ったのが「エル・トポ」です。レンビデで見ました。美しくショッキングで印象的な映像がとかく語られがちですが当方としてはイケイケのアンチャンが最後なんだか情けない感じになっていく姿に「ハッ!まるで自分を見ているようだ」とことごとく浪花節の心地で情緒的に見たんです。

そんな心の一本、エル・トポが製作40周年デジタルリマスター版としてヒューマントラストシネマ渋谷で公開ですよ。あれから数年、わしもデジタルリマスターされて、だいぶ落ち着いて映画を見ることが出来たで。前半部分のかっちょ良い世界観に、「あーなんだか良くわかんないけど、とてつもなく示唆的ですな〜〜」としびれていました。でもやっぱり後半部分で主人公が一気にかっちょ悪くなって坊主頭でヘラヘラと戯けているのを見ると、自分を見ているようで忍びなく、隣で見てる友人に指摘されるのではとひとり顔を赤くしてました。

キャラを変えるしかなかった大人たち。この映画、劇場で見るべき。

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HOSOIToshiya

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