2010-04-13

暑くなったり寒くなったり&映画『カティンの森』 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 今日は先月末から行われているマンションの水道管設備の改修工事の一環として、住んでいる部屋が断水になるため、朝早く起きて洗濯をしてから、行きつけの下高井戸シネマへ映画を観に行って来ました。往復共にウォーキングです。行きは先週同様、雨上がりでキラキラ光る明大和泉校舎〜築地本願寺〜玉川上水公園の散りかけの桜や新緑をめでながら歩きました。明大はさすが学年初めの第一週目ということで、学生でいっぱいのようでしたね。

 少し汗ばみながら、午前中の日光と未だ残る昨晩までの雨の香りを堪能出来て、気分壮快。とっても気持ちよかったです。

 観たのは、『カティンの森』(原題“Katyń”、監督・脚本:アンジェイ・ワイダ、原作:アンジェイ・ムラクチク、出演:マヤ・オスタシェフスカ、アルトゥル・ジミイェフスキ他、ポーランド、2007年)。

 ※アンジェイ・ムラクチクの原作本『カティンの森』は、昨年集英社文庫から発売。

 http://katyn-movie.com/pc/

 先週の土曜日に起きた、カティンの森事件の追悼式典に参加するために現地に向かう途中で、大統領をはじめとするポーランドの政府・議会・軍高官を乗せた政府専用機が撃墜し、乗員全員が死亡するというショッキングな事件の影響なのか、上映20分ほど前に到着したにも拘らず、チケット売り場には行列が…。勿論座れましたが、それにしても二番館での平日午前中の上映にしては結構な入りでした。

 で、肝心の内容ですが…その基調は、ナチス・ドイツ軍と赤軍(ソ連軍)によって東西から侵攻・占領されたポーランドの人々が、軍人・民間人問わず、更に死者さえも、その時々の勝者の思惑に翻弄されるという、本当にいたたまれないものです。それを象徴するのが、1939年にソ連軍の捕虜となったポーランド軍将官・将校2万人以上が、1940年春にソ連の秘密警察によって銃殺され埋められた、カティンの森事件です。

 まず最初に遺体は1943年春にドイツ軍によって発見され、ソ連に反対するプロパガンダとして利用されます。作中では殺されたポーランド軍大将夫人がドイツ占領軍に呼び出され、ソ連を非難する声明文を読み上げるよう強制されるというシーンがありました。その後、ドイツ軍を圧倒しポーランドを「解放」したソ連軍は、再度遺体を掘り起こし、それを今度はドイツ軍の犯罪として喧伝するようになります。ソ連側に立って戦い戦争を生き残ったポーランド軍将校の一部は、真相を知ってはいても、口をつぐむことを余儀なくされ、事件に対するソ連軍の関与を口にする民間人は容赦なく逮捕・連行されてしまいます。

 映画は、捕虜収容所から移送されたポーランド軍将官と将校が、ソ連の秘密警察によってまるで屠殺場での家畜のように次々と機械的に殺され、ブルトーザーで埋められていくという、背筋も凍るようなシーンで終わります。エンディングには音楽も無く、本当に寒々とした気持ちでやや唖然しながら画面を見つめる他ありませんでした。

 帰りは明大横の玉川上水公園を初めて通りました。広さ的には大したことないんですが、のんびりしていていいところでした。

 明後日から土曜日までまた寒くなるらしいです。本格的に春らしく暖かくなるのは、来週以降のよう。

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知世(Chise)

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