2010-03-13

始まらない。終わらない。[ネタバレあり] このエントリーを含むはてなブックマーク 

起承転結のある映画ではない。

中流日本人の私の生活では共感できる箇所が殆どないのだが、なぜか見てしまう。中流であるからこそのおせっかい心で不幸な人々の生活を覗き見したいのだろうか、と自問自答。この映画を見ても他人事としか思えないのでなにか解決策を考えるわけではなく、"ただ観た"という感想。しかし"エンターテイメント"や"娯楽"と思えるような映画ではない。重い。

暴力、チンピラ、借金、DV、離婚、殺人、事故、病気、戦争、ニートなどが日常の生活に密接にかかわっている人々の話。

戦争で頭がおかしくなった父親とろくに働きもせず暴力を振るう兄と三人暮らしの女子高生。母親はチンピラに殺されたと解釈したが・・・。

妹を殺し服役を終えた父親、妹を殺され混乱したままた車に轢かれ事故死した母親、なぜか出会ってしまった腹違いの姉、と家族に恵まれずにすべてに対して攻撃的なチンピラ。

この女子高生とチンピラがちょびっとだけ心を開く話だが、結局救われない。

救われない話。最後の焼き肉屋でみんなが笑顔になれた理由がわからなかった。人が一人死んだくらいでメソメソしてては生きていかれないということなのだろうか。

狭い世界で生きていては連鎖は断ち切れない。連鎖を断ち切るにはまず物理的な距離を作るのが先決だ。

もし今あなたが、家族の問題、暴力の問題などを抱えているのであればお勧めする。それが非常に深刻な問題だと自己認識することができる映画であろうと思う。

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に~まん

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