チャンドマニ試写。渋谷UPLINKにて。
モンゴルの人たちの生活を撮ったドキュメンタリーのようであり、またチャンドマニ村を目指すロードムービーのようでもあり、ホーミーという文化芸能を伝える映像のようでもあり、色々な側面を持つ映画であった。色々な側面を持たせすぎてちょっと欲張りすぎたかな、という感はあるものの、まだ見ぬ世界の紹介ダイジェスト版としての役割は十分あったようにおもう。
カメラワークが前半と後半では随分違う(前半は固定していない、後半は定点が多い)と感じたが、その意図までは読みきれなかった。
最後の方に"ホーミーはチャンドマニ(orモンゴル?)の風が体から入って口から出て行く音である"といったような内容のコトバが紹介されて合点がいった。
ずっとホーミーのあの空気を震わせる音の波長が心地良くなく、違和感を感じながら観ていたからだ。ホーミーは風なのだ。映像という二次元を、劇場というハコの中で観ると風であるはずの音が流れていけない。感じた違和感はそこだったのだ。
監督・カメラマンの情熱はすばらしいものを感じた。が、おそらく監督らがオープンエアーで体感し、感動したホーミーは観客である私の耳・心には映像・ハコであったために半分も伝わらなかったように思う。