2010-02-18

人間として、神父としての道徳 このエントリーを含むはてなブックマーク 

ソン・ガンホの演技力にはいつも驚かされます。
しかし、今回は主演女優のキム・オクビンがすばらしかった。
執拗なまでのベットシーンなど、表情や声だけでなく体全体で表現される感情に、幾度となく鳥肌がたちました。
中でも印象に残っているのは、真夜中に裸足で外を走るシーン。
その情景といい走り方といい、彼女の心境がとてもキレイに表現されていました。
私がいつも良いと思う映画には、「笑い」の要素が含まれています。
センスある、とても間の良い笑いは、シリアスなストーリーやシーンとの絶妙なクッションとなってくれるのです。
今作品もそうでした。特にパク・チャヌク監督の作品は、ヘビーな内容のものが多いので、随所に現れる笑いは、コミカルなCGとともにこの映画には欠かせないものとなっています。
また、使われている音楽にも惹かれました。
喜怒哀楽、どの感情にもやさしく溶け込み、観ている者に安心感を与えてくれます。

今回の作品は、パク・チャヌク監督の映画の中では異質と言えるかもしれません。
しかし、執拗なまでに見せつけられる「痛み」や苦しいほどの「愛」の形は、ほかの作品のように美しく、表現に対する監督の強い想いを感じました。
人間もバンパイアも生きるために血が絶対的に必要です。
そして、その血は赤く、「心」を持っていることには変わりはないのです。

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kaminote

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