テレビアニメ「少女革命ウテナ」で知られる幾原邦彦が、
ファッション雑誌KERAで連載していた同名小説の「第2部」として、
同誌で現在も連載中のコミック版の第1巻。
作画を担当するのは「Jの総て」や「同級生」などのボーイズラブ作品で活躍する中村明日美子。
“運命の恋人同士”である「世羅ヒツジ」と「羽熊塚イタル」の逃避行。
次から次へと現れるキャラクターと繋がらない点と点のようなストーリーに、
最初から最後まで振り回されっぱなし。
かと言って読みにくいということもなく、流れるような視点が気持ちよくて一気に読める。
中村明日美子は作品によって絵柄を見事に変えてくる人なので、
今回もまた新しい明日美子ワールドが展開されていて感心することしきり。
しかし、かなり人を選ぶ作品。
あまり中身を追うことをせずに、ロリータ・ハードボイルド・キラキラ・ひらひら・ぬいぐるみ・ふりふり・甘いもの・愛とか恋とか、そういうものを目で見て感じることが先決かと。