見終わってすぐ、「だらしない男~」という男声が場内に響き
確かに、これでは天下のStravinskyが可哀想な感有りだと…
シャネル側には都合のいい映画かもしれない。
やはり女性は強いんだろう。
それはさておき、果たして二人はそういう仲だったのか?
確かに、春祭再演に当たっての匿名寄付や
晩年のココが、イゴールからプレゼントされたイコンを
(確か再演の5年後のプレゼントだったから、
それまで交際が続いていたのか否かにも触れるべきだろう)
大事に手元に置いていたのには、いろいろ勘ぐられても仕方ないか。
映画の最後の方で晩年の各々のシーンが、いきなり出てくるのだが
ココが終生手放さなかった安物の祭具やイコンの登場が、
ちょいと唐突すぎて
何の暗示か判らない作りになっていたのは残念。
冒頭の春祭初演を丁寧に描いているのには興味深かった。
映画ではジァーギレフ側に敗北感を漂わせていたが、
現実では勝利感が強かった筈。
再演においての評価もこの映画からはさほど感じられず
また、一貫してイゴールの存在感の希薄さが気になる。
となると、やはり最初からイゴール=情けない男の役という
作りだったのかも。
当時のファッションや社交について知るにはいい映画かもしれない。