なにが魅力なんだろう?それぞれの作品は結果としてカタチになっているが、結局はマイケル・ムーア監督の行動するチカラであろう。
社会的問題をただ批評や批判することは容易であるが、それが、人々にメッセージとして届くことはまれである。
マスメディアは集中的に批判するが、そこには信念は見えてこない、あるのは姿勢だけというなんとも同じことの繰り返しで、どうしてその愚かさに気付かないのかと不思議でならない。
特に日本はそれが顕著であろう。
監督が言うキャピタリズムの良し悪しに関しては、そのまま鵜呑みにせず、見る側がしっかり判断する必要がある。が、なによりも同監督の場合、実際に行動を起こしメッセージし、それをエンターテインメントと多くの人々伝えているところにその価値と存在の
大きさがある。
リーマンショックを受けてある下請け工場の社員が突然解雇された。退職金ももらえずに。そこにいるのは、皆、移民系である。従業員が集まり、会社側との交渉を求めるが応じない。その後、それらを応援する世論の動きがあったことで、まだ、交渉の見込みもたってない段階であったが「変えられるかもしれない と思えたことがうれしい。」と充実した顔をしながら答えているのが印象的だった。
日本にいては、わからない部分が映し出されている。いわゆる労働者層の、希望をもつことすらあきらめている現実を。
圧巻なのは、税金を投入された大企業の会社に突然訪問し「市民逮捕」と称して代表者の差出しを要求する、そして税金返還を求めてドル袋を差し出す。当然、警備員の門前払いをくらうが、今度は立ち入り禁止テープで、会社の建物の周りをグルグル巻きにする。その単独行動はなんともすばらしくユーモアたっぷりで最高である。
立ち上がれ、行動をおこせ。というのがメッセージである。ぜひ、この映画をみてなにを行動すべきか考えてみては。
まずは、日本の銀行、都庁をグルグル巻きかな。