黒人でアフロヘアで名前が「アフロ」。名字は解んないけど有名なロボットアニメの主人公とは一文字違い。アノ主人公より口数少ないけどストイックな性格とワイルドな風貌が何となくサムライっぽくて悪くない。しかし「アフロ」なんて変な名前。
それにしてもアフロヘアでサムライといえば、思わず少年ジャンプで連載中の「ONEPIECE」に出てくる、麦わら海賊団の音楽家/剣士ブルックを思い出すが、まあ、それはソレ。ついでに言えば、アフロと旅を共にするニンジャ-ニンジャは、ゴーグル(というかグラサン?)付けてお喋りであんまり役に立たないというキャラクターで、同じく麦わら海賊団の狙撃手、ウソップを思い起こさせるし、スンゲー強いクマの着ぐるみ的な相手は、バーソロミュー・くまを思い起こさせる・・・・。とまあ、「ONEPIECE」との類似点を見つけるなんて正直どうでもいいんだが。
さて、元祖たる我が国日本では絶滅危惧に瀕している「チャンバラ映画」ではあるが、まだイケるかもしれないと、ちょっとだけ思わせてくれるのが、この「アフロサムライ」だ。作品の制作や主なスタッフは日本人ではあるけれど、声を担当しているのはサミュエル・L・ジャクソンや、リシュー・リーなどのハリウッド役者の面々。ちょい役だけどいい味出してる酒場のおっさんなんて、あのルーク・スカイウォーカーとして有名なマーク・ハミルなんだからもう趣味趣味。明らかにターゲットは米国の若者たち(と、日本のオタク+大きなおともだち系の方々)。
んで、先にも書いたようにこの作品は、基本チャンバラアクションを楽しむための映画であり、そのチャンバラのきっかけを作るために「一番のハチマキ」争奪戦と、父との確執というストーリを付け足した、という印象がある。もちろん、それがダメと言ってるのではないよ。正直ストーリーなんてどうでもいいんだ、たぶん。この映画ではチャンバラそのものがメインであり、風になびく「一番ハチマキ」を巻いたアフロサムライのカッコよさが大事なのだ。一度奪い取られた「一番ハチマキ」を再び手にすることがアフロの目的であり、そのためには人情も切り捨てる。他人を傷つけることを好んでいるわけではないが、それでも「一番ハチマキ」を手にするという自分の目的のためにバッサバッサと切り捨てる。そして「スマナイ」の一言で済ましちゃう。罪滅ぼしのつもりだろうが、なんか木彫りの仏像っぽい物を彫っはいるものの、何だかウソ臭い(笑)。まあ、アフロの気休めなんだろうな。
アフロをはじめとして、この映画に出てくるサムライたちは、みんな血を好む好戦的な存在だ。まあ、サムライというのは「伝統的な文化」じゃなくてそういう生き方、そう言う生活スタイルだって言われちゃえばそれまでなんだけどね。なんかカッコいい生き方というか、ストイックで強いジョン・ウエイン的な、米国でも失われつつあるカウボーイ気質とでも言うのか、そんなスピリットを「サムライ」に投影しているのかもしれない。
まあ、細かいことはどうでもいいから、カッコいいアクション、カッコいいチャンバラ観てえ!という気分になったら、「アフロサムライ」を選んでおけばハズれはない、という感じですかね。大昔のチャンバラ映画とは全く違う、なんか「ナウ」な感じのチャンバラ映画。すなわち「チャンバラなう」。この映画を観てtwitterでツブやくときはこう書けばヨロシイ。