スタント、ワイヤーなしのガチンコアクションが楽しめた映画だった。
特にレイト役の逃走劇は必見だ。
身軽にビルからビルへ飛び移り、すばしっこく特殊部隊をけむにまく。
カメラワークのリズムが良い。
ぽんぽんと飛び跳ねるように画面が切り替わり、レイトと一緒に逃走しているような臨場感を味わわせてくれる。
また、ダミアンの格闘術も必見。
冒頭の、高価な絵を傷つけることなく、相手を殴り倒す映像のテンポの良さが快い。
さらにダミアンの見事な女装シーンもあり、美しい身体は女性のものかと思わせられる。
しかし、よーく見てみると、スキンヘッドでムキムキのダミアンで、思わず笑ってしまう。
最初は挨拶がわりのレイト&ダミアンの逃走&アクションシーンでがっちりと観客の心をつかむ。
そこから、物語はより展開を見せる。
貧民窟と「戦争」を起こしたがる、フランスのネオコンふうの悪役。
真摯なフランス大統領は、貧民窟との「戦争」には懐疑的だ。
しかし、貧民窟を開発し、それによるゼネコンの利権を狙う集団によって、
大統領も騙されていく。
そんな大統領に、真相を気付いてもらうべく、貧民窟のボスたちが、レイト&ダミアンとともに立ち上がる。
こうした物語の見事な展開と、すばらしいアクション。
この交響曲に、観客は酔いしれること間違いない。
エンドロールも注意!
さりげない風刺がエンドロールの合間に隠されている。