ジム・オルークの曲は今回初めて聴きました。
「40分のインスト」「実験的」という触れ込みから、例えば坂本龍一の「out of noise」のような前衛的な楽曲をイメージしていたのですが、耳に入ってきたのはとても聞き心地のよい、ジム自身の中にある世界観を表現しようというサービス精神に溢れたものでした。
全体的にはRPGのサントラのような、ある世界の1年を様々な角度からのアプローチで表現し、それを積み重ねて編集したような、
起承転結がありながらも一本芯の通った印象でした。
最初のアコースティックギターのアルペジオから曲はゆっくりと膨らんでいきます。
まるで朝靄の草原に静かに佇む小さな街の一日が始まったような感じでした。
途中、活気溢れる楽しげな曲調、郊外の滝を思わせる雄大な曲調を重ねながら、突然シリアスな緊迫感のある流れにシフトしていきます。嵐でも吹いたのでしょうか。
そしてひっそりとした夜の風景を奏でながら、最後は再びアルペジオに収束していきます。
色々な顔を見せつつも、そこにあり続け、また繰り返していくという一つの世界を堪能できました。ありがとうございました。
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